例によって夏アニメの個人的な評価をまとめます。作品数こそ少な目だったものの、夏アニメはけっこう良作が多かった印象です。以下、いくらかネタバレを含みます。 ■作品賞「氷菓」 春から2クールの作品です。原作は米澤穂信氏の古典部シリーズで、「氷菓」はその最初の作品です。初回からお気に入りだったのですが、春アニメでは、あえて別の作品(「謎の彼女X」)を選びました。夏アニメにも面白い作品は多かったのですが、結局「氷菓」を超えたと思うものはありませんでした。「氷菓」は推理小説ですが、特別派手な事件が起きるわけではありません。大作映画などで「前代未聞の大事件」とか「○○の危機」という宣伝文句が飛び出してくることがありますが、そうしたものとは対極的です。しかし、どうせフィクションなのですから、事件の規模ではなく、解決していく過程やその描写こそが惹かれるものであってほしい、そういう期待に応えてくれるのが本作