2023年度の最低賃金について、「中央最低賃金審議会」(厚生労働相の諮問機関)の小委員会が、全国加重平均で時給1000円台とすることで最終調整に入ったことが27日、関係者への取材で分かった。1000円をわずかに上回る額になる見通しで、28日に決着する。世界的なインフレや円安による物価高騰に加え、春闘の賃上げ結果を考慮した。実現すれば現在の961円から約4%の引き上げとなり、初めて1000円の大台に乗る。 【グラフ】22年度までの最低賃金の推移は 最低賃金は使用者が支払わなければならない賃金の最低額で、年に1回改定される。労使の代表と有識者の3者で構成される厚労省の審議会で示された目安を参考に、各都道府県の審議会で上げ幅を確定し、10月ごろに改定する。 今年の春闘で正社員の賃上げ率が平均3・58%と高水準になったことを受け、労働者側をまとめる連合選出の委員が審議会で「賃上げの流れを波及させる