私が1996年-2002年まで過ごした米国で人種間の紛争が起きている。「人種差別はいけない」と声高に叫びたいところだが、米国で白人と黒人の間にある大きな溝を体感したせいか、どうしても別の言葉を探そうとしてしまう自分がいる。 渡米する前の米国についての情報源は、もっぱら映画とスポーツだった。人気映画「ダイ・ハード3」や「ザ・エージェント」では白人と黒人の主人公が友情関係を築き、アメリカンフットボールでは白人と黒人プレイヤーがハイタッチを交わしていた。しかし、実際に米国に行ってみて、こんな人種間交流はテレビの中だけの夢物語だという現実を知った。