ブックマーク / www.tachibana-akira.com (51)

  • ひきこもりは「恐怖」と「怒り」に圧倒されている 週刊プレイボーイ連載(387) – 橘玲 公式BLOG

    神奈川県川崎市で51歳の男が、スクールバスを待つ小学生らを刃物で襲い、19人を殺傷したあと自殺するという衝撃的な事件が起こりました。 報道によれば、加害者の男は幼少期に両親が離婚したため伯父に引き取られ、10代後半で家を出たものの、最近になって戻ってきたとのことです。それからはひきこもりのような生活をしており、80代になる伯父夫婦は、自分たちが介護を受けるにあたって、第三者が家に入ってきても大丈夫か、市の精神保健福祉センターに相談していました。 夫婦が男の部屋の前に手紙を置いたところ、数日後、伯母に対して「自分のことは、自分でちゃんとやっている。事や洗濯を自分でやっているのに、ひきこもりとはなんだ」と語ったとされています。 伯父夫婦は男が仕事に就かないことで将来を心配していたものの、家庭内で暴力をふるうようなことはなかったことから、大きな問題があるとは考えていなかったようです。近隣とのト

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    baseu 2019/06/17
  • 治安とは「とんでもないことをする若い男」を管理すること 週刊プレイボーイ連載(250) – 橘玲 公式BLOG

    フロリダ州オーランドのゲイクラブで男が自動小銃を乱射し、50人以上が死亡する大惨事になりました。特殊部隊によって射殺された容疑者はアフガニスタン系の両親を持つニューヨーク生まれの29歳男性で、大学卒業後警察官を目指したものの採用されず、フロリダの高級住宅街で警備の仕事をしていたといいます。 家族や同僚によれば容疑者は激しやすい性格で、同性愛者を嫌悪しアルカイダとのつながりをほのめかす発言をしたことからFBIの聴取を受けたようですが、犯行を防ぐことはできませんでした。一部の報道では、容疑者自身がゲイクラブの常連で、同性愛者のパートナーを探していたともいいますから、話はさらに複雑です。 アメリカでは、共和党候補のトランプがムスリムの移民排斥を叫び、共和党候補のクリントンが銃規制の強化を求めて国論を二分する争いになっています。しかしテロのような重大な犯罪には、宗教よりもはるかに顕著な危険因子があ

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    baseu 2016/07/19
  • 日本の「リベラル」はどこがうさんくさいのか? 週刊プレイボーイ連載(243) – 橘玲 公式BLOG

    自分のや子どもを殴りつけながら、「暴力はやめましょう」とか「平和がいちばん」と他人に説教するのはどうでしょう? アタマがおかしいか、とんでもない偽善者だと思うのではないでしょうか。 これまで繰り返し述べてきたように、日社会の恥部である正社員と非正規の格差は身分差別以外のなにものでもありません。なぜこういい切れるかというと、この制度には「アカウンタビリティ(説明責任)」が欠落しているからです。 「同じ仕事をしているのに、なぜ自分の給料はあのひとの半分なのか?」と問われて、相手が納得する回答ができれば「アカウンタブル(説明可能)」です。「お前は正社員じゃないんだから当然だ」と怒鳴りつけたり、「そんなこといわずにオレの立場もわかってくれ」と泣き落とすのはアカウンタブルではありません。説明できない格差は人種や性、国籍や宗教、身分などの差別から生まれます。基的人権を尊重するリベラルな社会は、「

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    baseu 2016/05/31
  • リベラルこそが憲法9条改正を主張すべきだ 週刊プレイボーイ連載(196) | 橘玲 公式サイト

    オウム真理教の信者はなぜ脱会しないのか。ほとんどのひとは、洗脳が解けていないからだとこたえるでしょう。しかし地下鉄サリン事件から20年もたって、いまだに獄中の(それも明らかに精神を病んだ)教祖の言葉を信じつづけられるものでしょうか。 ひとは無意識のうちに、自分の選択を正当化しようとします。些細な間違いならすぐに修正できるでしょう。しかしそれがきわめて大きな過ちで、もう取り返しがつかないのなら、事実を直視するのは自分で自分を否定するのと同じことになってしまいます。 こういうときひとは、全身全霊で過去の選択を擁護しようとします。しかも始末に悪いことに、それがたんなる自己正当化であることすら否認するのです。 オウム真理教の信者は超能力や精神世界を信じる真面目な若者たちで、家庭や職業を捨て、資産のすべてを教団に譲渡し、周囲の強い反対を押し切って入信しています。それが、教祖はいかさま師で教団はテログ

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    baseu 2015/06/01
  • 国家に母性愛を求めるのは気持ち悪い 週刊プレイボーイ連載(184) – 橘玲 公式BLOG

    以前のコラムで「自己責任は自由の原理」だと書きました。自己責任論を否定するあまり、「国家には国民の生命を守る義務がある」といいたてると、国家は国民の自由を制限するにちがいない、と述べたのですが、案の定、シリアへの渡航を計画していたフリーカメラマンに対し外務省がパスポートの返納命令を出す事態になりました。 この問題で不思議なのは、日ごろは「報道の自由」という錦の御旗を振りかざすマスメディアが妙に腰が引けていて、「国家権力の弾圧」を半ば容認していることです。 その理由のひとつは、マスメディアの“フリー”に対する蔑視でしょう。大企業の正社員である新聞やテレビの“ジャーナリスト”は、自分たちの権利が侵されるときには大騒ぎしますが、有象無象のフリーランスの「報道の自由」などどうなっても構わないと思っているのかもしれません。「報道」を独占するには、ヘンな人間が横からしゃしゃり出てくるのは邪魔なだけなの

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    baseu 2015/03/02
  • 「自己責任」は自由の原理 週刊プレイボーイ連載(182) – 橘玲 公式BLOG

    2人の日人がISIS(イスラム国)の人質となり、殺害された事件でまたも「自己責任」論が沸騰しました。 2004年4月のイラク人質事件では、過激派に拘束されたボランティア活動家などが現地の危険をじゅうぶん認識しておらず、被害者の一部家族が政府に自衛隊撤退を要求したことで、「自己責任」を問う激しいバッシングにさらされました。 しかし今回の事件では、2人ともISISの支配地域がきわめて危険だとわかったうえで渡航しており、ジャーナリストはビデオメッセージで「自己責任」を明言しています。「殺されたとしても誰のせいでもない」というひとを自己責任で批判してもなんの意味もありませんから、今回の騒動は「政府(安倍総理)に迷惑をかけるな」という心情的な反発なのでしょう。 人質事件に対し、政府は国民が許容する範囲で救出活動を行ないますが、それ以上のことはできません。 アメリカは「テロリストとは交渉せず」が原則

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    baseu 2015/02/16
  • 「差別のない明るい社会」を目指してほしい 週刊プレイボーイ連載(174) – 橘玲 公式BLOG

    なんのためかよくわからないまま衆院解散が決まりましたが、政党同士の足の引っ張り合いにつき合っていても仕方がないので、ここでは候補者たちに託したい前向きな提言をしてみましょう。 一般にリベラルとネオリベ(新自由主義)は、結果平等を求めるのか、機会平等でじゅうぶんだ(結果が不平等になっても構わない)とするかで分かれるとされます。しかしどれほどリベラルでも、私的所有権を否定する共産主義の理想社会(グロテスクなディストピア)を目指すひとはいないでしょう。一方、貧しい高齢者が餓死するのを見て、「機会は平等だったんだから自己責任だ」と突き放すネオリベもいないはずです。現代の政治的対立とは、同じ価値観を持つ者同士が、どこでバランスを取るかでいがみ合うことなのです。 しかしそれでも、機会が平等でなければ結果の平等もあり得ないわけですから、社会から差別をなくすことはあらゆる(民主的な)政治思想に共通の理想で

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    baseu 2014/12/08
  • 「派遣」をめぐる議論はなぜいつも下らないのか 週刊プレイボーイ連載(172) | 橘玲 公式サイト

    労働者派遣法の改正案が国会で審議入りしたことで、派遣労働のあり方をめぐる議論が再燃しています。法案を提出した安倍政権は「身分の不安定な派遣社員の待遇改善や正社員化につながる」と力説しますが、野党は逆に「派遣を増やすだけだ」と反発しています。 とはいえ、この法案が世論を二分する論争になっているわけではありません。当の派遣社員も、「どうでもいい」「関心がない」と突き放しています。 この徒労感はどこから来るのでしょうか。それは政治家やメディアが、問題の質から目を背けているからです。 「派遣」という働き方が悪いわけではありません。それが政治問題になるのは、日の社会では派遣が「非正規」とされ、同じ仕事をしていても「正規」の社員と待遇が異なるからです。 ILO(国際労働機関)は同一労働同一賃金を基的人権としており、「正規」「非正規」の区別は現代の身分制と見なされます。「日は前近代的な差別社会だ

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    baseu 2014/11/25
  • 国内の歴史論争で勝って、海外の人権で完敗した慰安婦問題 週刊プレイボーイ連載(160) – 橘玲 公式BLOG

    朝日新聞は従軍慰安婦問題において、従来の主張を大幅に変更し、一部の記事を虚偽として取り消しました(8月5日朝刊)。この問題についてはすでに多くの(というか多すぎる)主張がありますが、これを機に争点を整理してみることは無駄ではないでしょう。 慰安婦問題の議論は大きく4つに分けられます。 軍による強制連行があったかどうかの事実問題 自らの意思に反して売春を強要された女性の人権問題 日戦争責任 韓国のナショナリズム 朝日新聞をはじめとする「リベラル」は、日戦争責任を追及する立場から「強制連行」を歴史的事実と見なしてきました。これに対して保守派は、慰安婦問題は韓国の歪んだナショナリズムが生み出した虚構で、軍による一般女性の連行などなかったと批判しました。 このように日国内では、リベラル派と保守派はずっと事実問題で争ってきました。そして今回の朝日新聞の“転向”が象徴するように、リベラル派は

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    baseu 2014/09/01
  • 「残業代ゼロ法案」に反対するほんとうの理由 週刊プレイボーイ連載(152) – 橘玲 公式BLOG

    政府の産業競争力会議が提言する労働時間規制の緩和をリベラルなメディアは「残業代ゼロ法案」と呼んで批判しています。労働規制緩和の「残業代を支払わない契約を認める」という面だけを強調しているのですが、はたしてこれは公正な報道でしょうか。 日的な雇用慣行は製造業をベースにつくられたものです。工場では労働者が働いた時間だけ製品がつくられますから、残業代が払われないのは無料奉仕、すなわち奴隷労働になってしまいます。 ところが産業が高度化してサービス業や知識産業が主流になると、工場と同じような労働管理ではうまくいかなくなります。 知識社会においては、働き方は大きく3つに分かれます。(1)クリエイティブクラス、(2)スペシャリスト(専門家)、(3)バックオフィスです。 バックオフィスというのは縁の下のちからもちで、いわゆる事務仕事です。こうした仕事は時給計算が可能で、残業すれば収入が増え、欠勤すれば給

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    baseu 2014/06/30
  • 集団的自衛権より大事な問題 週刊プレイボーイ連載(138) – 橘玲 公式BLOG

    集団的自衛権の行使容認をめぐって、安倍首相が憲法解釈の変更を示唆したことが議論を呼んでいます。これは憲法9条改正につながるきわめてやっかいな問題ですが、できるだけシンプルに考えてみましょう。 現憲法の条文やその成立過程を見れば、「戦争放棄」「戦力不保持」「交戦権否認」を定めた9条が、戦勝国であるアメリカが敗戦国である日に科した懲罰規定であることは明白です。ナチスドイツを生んだ反省から、第二次世界大戦では戦後処理の方針が大きく変わり、敗戦国を植民地化したり、苛酷な賠償を取り立てることが抑制されました。その代わり「平和主義」の美名の下に、二度と戦争を起こせないよう戦力を剥奪する罰が加えられたのです。これはいわば、不平等条約のようなものです。 ところがその後、中国の共産化と朝鮮戦争によって日を取り巻く国際情勢が大きく変わります。アメリカにとって、ソ連・中国という共産勢力を抑止するため日に再

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    baseu 2014/03/17
  • 福島原発事故から3年を経て、「責任」についてあらためて考える – 橘玲 公式BLOG

    東日大震災と福島第一原発事故から3年ということで、Yahoo! Newsの企画で3月6日に原発事故現場を見学する機会を得た。訪れたのは汚染水を浄化する多核種除去設備(ALPS)、汚染水を貯蔵する溶接タンクの建設現場、使用済燃料の取り出しが進む4号機のオペレーションフロアと1/2号機の中央制御室だ(いずれも新聞やテレビなどで繰り返し報道されている)。 東京電力の説明を私なりに理解したところでは、原発事故の収束作業の現状は次のようなものだ。 (1)1500体を超える使用済み核燃料が保管され、事故直後に火災が発生して核燃料プールの健全性が不安視された4号機では400体の使用済み核燃料が順調に取り出され、今年末に作業が完了する予定。 (2)水素爆発によって建屋の上部が吹き飛んだ3号機では、クレーンによるガレキ撤去作業が完了し、現在は使用済み核燃料を取り出すための準備作業が行なわれている。 (3)

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    baseu 2014/03/13
  • 労働組合は身分差別社会が大好き 週刊プレイボーイ連載(137) – 橘玲 公式BLOG

    安倍政権による労働者派遣法改正案が国会で議論されています。 これを改悪と主張するひとたちは、「正社員が派遣労働者に置き換えられて格差が拡大する」といいます。それに対して政府側は、これまで専門26業種だけに認められていた条件をすべての労働者に開放することで、労働者のニーズにあった多様な働き方が可能になると反論しています。 労働市場改革が揉めるのは、それが日社会の根幹である「会社=イエ制度」を揺るがすからです。 経済学的にいえば、働くというのは自らの人的資を労働市場に投資し、そこから報酬というリターンを得ることです。人的資学歴や資格、専門知識や経験を総合したもので、それを基準に昇進・昇給が決まります。キャリアアップとはたんなる出世ではなく、さまざまな手段で人的資を増やしていくことなのです。 しかし日では、こうした近代的な職業観はまったく受け入れられませんでした。いまでも学生たちは、

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    baseu 2014/03/10
  • 「現代のベートーベン」は自分マーケティングの天才 週刊プレイボーイ連載(135) – 橘玲 公式BLOG

    「現代のベートーベン」と呼ばれた全聾の人気作曲家が、すべての曲をゴーストライターにつくらせていたという驚愕の事実が日じゅうに衝撃を与えました。 ネット上に掲載されていたプロフィールによれば、4歳から母親の厳格な英才教育でピアノを学び、5歳でソナチネを作曲し、小学校4年生でベートーベンを弾きこなす神童だったといいます。その後の人生も凄絶で、17歳で原因不明の聴覚障害を発症し、上京して作曲家を目指したが失職して路上生活者となり、ロック歌手としてデビューしたもののバンドは解散、道路清掃のアルバイトで生計を立てていたところ、33歳の時に映画音楽仕事が舞い込んできます。この映画は「HIVに感染した少女が周囲の差別と偏見と戦いながら強く生きていく姿を綴った青春ドラマ」ということなので、聴覚障害の“自称”作曲家を起用することになったのでしょう。 ゴーストライターの証言によれば、この最初の作品から“偽

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    baseu 2014/02/24
  • 今年のことはわからなくても、10年後の日本はわかっている  週刊プレイボーイ連載(130) – 橘玲 公式BLOG

    東日大震災と福島原発事故のあった2011年や、民主党政権に国民が愛想をつかした2012年に比べれば、昨年はひさびさに平穏な年でした。今年はどんな1年になるのでしょうか? じつはこの問いには意味がありません。どんな予測も、当たるか外れるかはサイコロを投げて決めるのと同じ、ということがわかっているからです。それでも予測を聞きたがるのは、ヒトの脳が未来をシミュレーションするようにできているからです。 脳の情報処理の特徴は、極端な出来事に引きつけられ、変化しないものには興味を持たないことです。 民主党は政権交代で「予算を組み替えれば財源はなんぼでも出てくる」といい、事業仕分けで国民を熱狂させましたが、実際にやってみたら「埋蔵金」などどこにもありませんでした。アベノミクスを囃すひとたちは「金融緩和で高度経済成長期並みの好景気がやってくる」と喧伝しましたが、いまのところそんな兆候はどこにもなく、おそ

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    baseu 2014/01/14
  • “芸術”という腐った楽園 週刊プレイボーイ連載(126) – 橘玲 公式BLOG

    スクープは大きくふたつに分けられます。ひとつは、これまで一般に知られていなかった秘密を暴くもの。もうひとつは、誰もが当たり前だと思っていたことに対して、「それはルール違反だ」と指摘するものです。公募美術展「日展」の書道部門で、入選数を有力会派に事前分配していたという朝日新聞のスクープは後者の典型でしょう。 日の美術界は芸術院会員を頂点とするピラミッド組織で、弟子は階級が上がるほど上納金が増え、「日展に入選するには審査員に心づけを渡し、作品を購入しなければならない」というのが常識でした。これは茶道などの家元制度を持ち込んだものでしょうが、「公募」をうたっていながら、有力会派に属していなければ入選できないというのでは、不正審査といわれても仕方ありません。報道を受けて日展は、日画や洋画を含む全部門で最高賞の選考を中止することを決めました。 こうした問題が起きるのは、日展だけでなく日の美術界

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    baseu 2013/12/09
  • ガラパゴスじゃやっぱりダメだよ 週刊プレイボーイ(116) – 橘玲 公式BLOG

    歴史論争を見ればわかるように、世の中の論争の大半はなにが正しいのか決着をつけることができません。歴史文書が残っていても、事実が正確に記されているかどうかはわかりません。タイムマシンが発明され、過去に遡って事実を検証できるようになったとしても、それをどう解釈するかは(自分たちに都合のいい)イデオロギーで左右されるでしょう。 ところがそのなかで例外的に、白黒の決着がつく論争があります。「市場原理」が正しい者に富を与え、間違った者を市場から追い出すからです。 2007年頃に、日市場で独自の「進化」を遂げた携帯電話の仕様が世界標準からかけ離れているとして、“ガラパゴス化”と揶揄されました。それに対して一部の論者が、「ガラパゴスでいいじゃないか」と反論しました。「日には日のよさがあるのだから世界に合わせる必要はない」「日ブランドはアジアではじゅうぶん戦える」というのです。 その後、2008年

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    baseu 2013/09/30
  • 第35回 意外に身近なミリオネア(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    グローバル資主義を批判するひとたちがウォール街を占拠してから、「1%の金持ちと99%の貧乏人」というのはすっかり決まり文句になった。たしかに、とてつもない大金持ち(ビリオネア)がいる一方で中産階級が貧困層に没落していく構図は先進国に共通している。 しかしその一方で、まったく異なる景色を見せてくれるデータもある。 スイスの大手金融機関クレディ・スイスが2012年10月に発表した世界の富裕層ランキングによれば、純資産100万ドル以上を持つ富裕層は1位がアメリカの約1100万人(人口比3.5%)、2位が日の約360万人(同2.8%)、3位がフランスの約230万人(同3.6%)となっている。 「ワールド・ウェルス・レポート」(2012)ではイギリスの資産運用会社が、居住用不動産を除いて100万ドル以上の投資可能資産を持つ富裕層の数を推計している。それによれば1位はやはりアメリカの約300万人(

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    baseu 2013/09/19
  • “俺”ではなく“俺たち”を自慢する日本人 週刊プレイボーイ連載(102) – 橘玲 公式BLOG

    アメリカの高校生にリーダーシップがあるかどうか質問すると、7割が「自分は平均以上」と答えます。大学教授を対象とした調査では、94%が「自分は同僚より優秀だ」と回答します。平均より優れたひとは半分しかいないはずですから、これは明らかにおかしな現象です。 心理学では、無意識のうちに自分を過大評価することを「平均以上効果」といいます。私たちの住む世界では、ほとんどのひとが平均以上に知能が高く、平均以上に公平で、平均以上に車の運転がうまいのです。 自分に根拠のない自信を持つ傾向は、「ポジティブ・イリュージョン」として知られています。といっても、“幻想(勘違い)”なんだから矯正すべきだ、といいたいわけではありません。 子どもに対して「もっと現実を直視しなさい」と説教する親や教師がいますが、自己評価と他者の評価が一致している、すなわち“勘違いしていない”ひとの典型はうつ病患者です。あらゆる出来事をネガ

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    baseu 2013/06/18
  • 税をめぐる道徳と正義について 『熱風』2013年5月号 – 橘玲 公式BLOG

    スタジオジブリの『熱風』2013年5月号の特集「グローバル企業とタックスヘイヴン」に掲載された「税をめぐる道徳と正義について」を、編集部の許可を得てアップします。 *********************************************************************** フランスでは昨年5月、新自由主義的な改革を目指していたサルコジを破って、格差是正を掲げたオランドが大統領に就任した。オランド政権は富裕層への所得税増税を選挙の公約に掲げており、年収100万ユーロ(約1億3000万円)を超える個人の所得税率を40%から75%へと大幅に引き上げようとした。反発の大きさに新政権は、増税を2年間の時限措置にすることで理解を得ようとしたが、高級ブランドを展開するモエヘネシー・ルイヴィトンの最高経営責任者(CEO)がベルギー国籍を申請するなど、富裕層の国外脱出が止ま

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    baseu 2013/06/12