桜井よしこさんは日本はアジア諸国のリーダーを目指す前提で書かれている。想定読者層も日本はアジア諸国のリーダーを目指すべきといった人に向いてかかれたものなのだろう。30年前のジャパン・アズ・ナンバーワンの時代の残滓であり、センスが古い。 「欧米流の合理的戦略論だけでなくアジアの曖昧路線を理解する重要性」は、そのような脳天気な認識に溢れており、面白い読み物となっている。 ■ 味方認定するとドゥテルテも褒める桜井さん まず、桜井さんはフィリピンのドゥテルテ大統領を評価している。「日本が大好きだ」だけで日本の味方認定したためだろう。安っぽいものだ。 大統領は南シナ海問題を持ち出し「日本とフィリピンは同じような状況にある」「われわれは常に日本の側に立つ」と、それぞれ2回、繰り返したという。 明らかに安倍首相はドゥテルテ大統領の心を開いたのだ。財界人との会合で「日本が大好きだ」と大統領は繰り返した。