OPINION 電力の個産個消時代がやって来る / 記事一覧 先日、松本徹三先生のほうから「電力のグランドデザイン」についての話がありましたが、将来設計にあたり、プライベート電源のイノベーションによって、今の重厚長大型の電力システムそのものが衰退していく可能性も考慮に入れたほうがよいのではないかと思い、以下の稿を記したいと思います。 巨大な送電・変電・配電設備 平成22年版の「電気事業便覧」によると、同年3月末における電力10社の固定資産は36兆1164億円であり、そのうちの7割弱に当たる24兆7737億円が電気事業固定資産である。その内訳が以下の表だ(*億円未満四捨五入)。 以上はあくまで「資産額」であるが、送電施設等のほうが発電所の二倍も高い点が興味深い。われわれ一般市民からすると、送電以下は「裏方」のように思えるが、実際にはこちらのほうが発電部門よりも整備費がかかっているのであ