菅義偉・新首相の経歴について、野党系メディアは、「苦労人」というのは嘘であるというネガキャンペーンを繰り広げている。 「あの時代に秋田県の農村で高校に行ったのだから高校に行けた人を庶民とはいえない」「戦前に満鉄に務めていてお手伝いさんもいたのだから特権階級だ」「父親は町会議員だし姉は大学に行っている」とか言いたい放題だ。 しかし、庶民だというのは、歴代の首相のなかで相対的にということでいえばいえる。別格的存在の田中角栄以外では、もっとも庶民出身といってよい一人だというのは間違いあるまい。 それと並ぶ存在は、石材店主の子の広田弘毅、自衛隊員の子の野田佳彦、漁師の家の村山富市あたりだ。それ以外は、いずれも、士族や地方名望家の出身だ。 現在の政界でも閣僚になれるのは、首都圏の大学出身者にほぼ限られている。地元の一流国立大学に入れなかった場合に、東京の私大に躊躇なく行けるかどうかが庶民かどうかの境