新首相となった野田佳彦氏は、経済政策では財政再建至上主義・増税派の代表格とされている。 もっとも、増税を主張するようになったのは、政権交代で財務副大臣に就任してからだ。野党時代には、増税の前にデフレ脱却、資産売却、特別会計見直し等を主張していた時もあったようだ。 人格が温厚で人の話をよく聞くために、財務官僚の言いなりになったのだろう。かつて大蔵官僚であった私からみても完璧に財務省論理を踏襲している。 民主党代表選で「財政至上主義」と反論されたように、財務省論理は財政の枠内だけの議論であり、マクロ経済の視点が欠けている。増税したいから、財政再建の手法を増税だけと限定する。そして、経済成長による税増収にる財政再建のロジックを封じるために、経済成長すると財政破綻するという詭弁も使う。これは、4月28日の「「経済成長で財政破綻する」財務省理論のトリックを暴く」で書いた。 特に、デフレ脱却に