低温熱傷とは読んで字の如く,低温でじっくりと焼き上げた(?)熱傷のことだ。受傷原因としては,ホットカーペット,湯たんぽ,温風ヒーター,カイロなどちょっと触ったくらいでは熱傷の原因にならないようなものが多い。通常ではこれらで熱傷することはないのだが,知覚鈍磨があるとか,体がうまく動かせないとか,酔っ払って意識を失っていたとか,一酸化炭素中毒で意識がなかったとか,そういうのがあると熱傷の原因になる。 下の「写真1」で見るように,一見するとそれほど深く見えないのが特徴。しかし,さすがに「低温熟成(・・・とは言わないか)」の威力できちんと治療しているのにもかかわらず,次第に熱傷深度が深くなり,大抵は「写真2」のように3度熱傷に移行する。 こういう熱傷は,扱いに慣れていないと治療に非常に難渋する。一番多い間違いは,まだまだ熱傷が深くなる時期なのにあせって皮膚移植をして(しかもデブリードマンが不十分だ