ウィルコムの経営が苦況にあるというニュースが伝えられています。 同社の戦略技術「Willcom Core Module」の最初の製品である、W-SIMカードの開発に参加したのは、2003年のことでした。 「えーと、いきなり電話でお仕事を依頼しても、いいものなのでしょうか」という、とても遠慮がちな電話をいただいたときから、プロジェクトが始まりました。まだDDIポケットという社名だった頃のことです。 電話をくれたのは、社内で「ミスター104」と呼ばれる企画担当者でした。思い立ったら番号案内で調べて、(遠慮がちな電話を、遠慮なく)どこへでもかける、そんなパワフルな人でした。 彼が企画していたのは、アンテナや通信回路など、いわばPHSの心臓部を内蔵する超小型の通信カード。家電や生活用品にそのカードを入れれば、身の回りのものがみんな通信機能を持つようになる、そんなユビキタスな技術思想が根底にありまし