いよいよこの日がやってくる。随分と待ち遠しかったような、いつまでも来てほしくなかったような――。 将棋のプロ棋士とコンピュータソフトが5対5の団体戦で雌雄を決する「将棋電王戦FINAL」。最終局となる第5局に登場するのは、棋士の阿久津主税八段とコンピュータソフト・AWAKEだ。 棋士側の連勝で幕を開けた戦いは、第3・4局とコンピュータ側が巻き返しを見せ、ここまで2勝2敗の五分に。決着は「FINALのFINAL」たる大将戦に委ねられた。 棋士仲間もうらやむ才能 ファンのため、そして自分のために 阿久津主税八段 阿久津主税(あくつ・ちから)八段は1982年生まれの32歳。羽生善治名人や第4局に登場した村山慈明七段と同じ八王子将棋クラブの出身で、プロ棋士の養成機関である奨励会に小学6年生で入会し、1999年に17歳でプロデビューを果たした。 プロ入り後しばらくは目立った活躍がなかったが、2004