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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (94)

  • 三原議員「八紘一宇」発言は笑えない問題

    3月16日の参議院予算委で、与党議員として内閣に対する質問を行った自民党の三原じゅん子議員は「八紘一宇」という大戦中のスローガンを肯定的な意味で使用したばかりか、「日が建国以来、大切にしてきた価値観」という発言までしています。 すでにこのニュースには色々な論評がされていますが、念のため確認をしておきますと「八紘一宇」とは元来は日書紀の中で、神武東征伝説に関連付けて「日全国を1つに」というニュアンスで登場した言葉です。それが、戦時中にはいわゆる「大東亜共栄圏」という構想と結びつけられて「全世界をひとつの家のようにする」という意味に拡大されています。これでは日軍の侵略のスローガンだとされても仕方がありません。 三原議員の発言ですが、話題としては大企業が「タックスヘイブン」、つまり租税回避地を使って「節税」をする問題を批判する文脈で飛び出したようです。「八紘一宇の理念の下に、税の仕組みを

    三原議員「八紘一宇」発言は笑えない問題
  • 18歳を「成人年齢」にして大丈夫か?

    それにしても、順序がおかしな話だと思います。「憲法改正の国民投票は18歳以上としたい」というのが最初にあって、「ならば公職選挙法の投票年齢も18歳に引き下げよう」という話の順番というのは、順序が逆であると同時に「根拠、理念」が希薄だからです。 世界の多くの国は18歳から選挙権を認めていますが、その多くの場合は、60年代末から70年代に団塊の世代が新しい価値観を創造しながら「上の世代に挑戦」する動きの中で生まれたものです。いわば人口動態の結果として政治力を持ったからです。つまり「自分たちを一人前として認めよ」という人たちの要求があり、それが「成人年齢の引き下げ」という結果となって、その派生として選挙権を与える年齢も18歳になっているわけです。 そうした「順序の議論」はともかくとして、18歳に選挙権を与えるのであれば、成人年齢を18歳にしなくては社会的に妙なことになります。例えば、選挙権を持

    18歳を「成人年齢」にして大丈夫か?
  • 人質殺害事件に寄せて

    人人質事件は、残念な結果になった。 昨年六月に登場して以来、その残虐さで国際社会を震撼させてきた「イスラーム国」が、いかに深刻な問題かを、日は遅ればせながら実感したことになる。 この問題について、筆者はあまり語ってこなかった。少ない情報で、しかも人命がかかっていることで、あれこれ語ることがいいとは思えなかったからだ。この事件に関する日の報道を見ていると、解決に逆効果をもたらしたのではないかと懸念する。 そもそも、国内の普通の誘拐事件だったら、ここまで情報や憶測を垂れ流しにしただろうか。こうすればよい、ああすればよい、といったコメントが、いちいち日側の手の内、対応を犯人に晒しているとの自覚はなかったのだろうか。 犯人が海外だから、日国内で交わされる議論は聞こえないとでも思っているのかもしれない。だが、ネットに掲載される情報は日語でも簡単に自動翻訳にかけられるし、テレビ画像でもY

  • 安倍政権とアメリカ政治の「ねじれ」に危険性はあるか?

    国内での一般的な印象とは異なって、アメリカの左右の対立軸から見ると、安倍政権の政策はハッキリと「リベラル」に属します。 まず、経済政策上の「アベノミクス」ですが、これはアメリカでは完全に「リベラル政策」になります。自国通貨の価値を下げることをおそれずに流動性を供給してデフレを抑止しようとすること、国土インフラなどの公共投資を積極的に行うこと、こうした姿勢はオバマ政権が2009年に発足して以来、一貫して強く進めてきた政策とピッタリ一致します。 つまりアベノミクスの「第一の矢」も「第二の矢」もアメリカでは「左派」の政策なのです。野党の共和党は、このいずれの政策にも強く反対してきています。 では「第三の矢」である規制緩和はどうかというと、この点に関しては確かにアメリカの民主党は規制強化の立場で、共和党が規制反対の立場です。ですが、現在の日に残る「諸規制」の多くはアメリカリベラルにも理解で

    安倍政権とアメリカ政治の「ねじれ」に危険性はあるか?
  • 欧米社会がこだわる「言論の自由」の本質

    1月7日にパリ11区にある風刺雑誌『シャルリー・エブド』社がテロリストによって襲撃され12人が死亡。また、その直後に印刷工場籠城事件、警官襲撃事件、パリ郊外におけるユダヤ系スーパー襲撃事件も発生し、事態は連続テロ事件に発展しました。 犠牲者計17人を出す大惨事となりました。実行犯3人は射殺され、協力者と思われる1人が逃亡中です。これに対して11日、フランスのオランド大統領をはじめ、ドイツのメルケル首相、英国のキャメロン首相、イスラエルのネタニヤフ首相、パレスチナのアッバス議長など世界40カ国の首脳がパリに集結して、参加者370万人という反テロの「大行進」を行っています。 合言葉は「私はシャルリー」つまり攻撃を受けた風刺雑誌への「連帯」を表明し、言論の自由を守れと訴えるのが主旨です。 この「大行進」ですが、アメリカのオバマ政権は大統領や国務長官など要人を派遣しませんでした。その一方で、俳優

    欧米社会がこだわる「言論の自由」の本質
  • 嫌イスラームの再燃を恐れるイスラーム世界

    シャルリー・エブド誌襲撃事件は、世界を震撼させている。欧米諸国を、というより、世界中のイスラーム教徒を、だ。 フランス版9-11事件ともいえるほどの衝撃を与えたこの事件に対して、イスラーム諸国は即刻、テロを糾弾し、フランスへの哀悼を示した。フランスと関係の深い北アフリカ諸国や、経済的なつながりの強い湾岸諸国はむろんのこと、ほとんどの中東の政府、要人が深々と弔意を示している。エジプトにあるスンナ派イスラームの最高学府たるアズハル学院も事件への非難声明を出したし、欧米諸国から「テロリスト」視されているレバノンの武装組織ヒズブッラーですら、惨殺されたフランスの漫画家との連帯を表明している。 意地悪な見方をすれば、この事件がイスラーム教徒の「踏絵」と化しているともいえる。ちょっとでも犯人側をかばうような発言をして、今後吹き荒れるのではと懸念される欧米での嫌イスラーム風潮に巻き込まれて、「テロリスト

  • 男性用ピルに「99%有効」のお墨付き

    一見すると、どこにでも生えているような低い灌木だ。しかし、その葉に秘められた薬効はセックスに革命をもたらすかもしれない。 その名はガンダルサ。葉に含まれた成分を利用すれば、長く待望されてきた男性用の経口避妊薬を製造できそうだ。 インドネシアとパプアニューギニアが国境を接するジャングルに覆われた島ニューギニア島。この島の先住民の間では昔からガンダルサの葉に妊娠を防ぐ効果があることが知られていた。インドネシアの研究チームが近年、この伝承に注目。数百人の男性被験者を対象に、ガンダルサの葉から製造した錠剤の効果を調べてきた。 結果は? 「99%有効だ」と、この研究を率いたバンバン・プラジョゴは太鼓判を押す。研究チームは政府機関の国立家族計画調整委員会とインドネシアの名門大学アイルランガ大学の研究者たちで構成されている。 ガンダルサの経口避妊薬はインドネシアでは16年に発売される予定だ。研究チー

  • 中間選挙「共和党勝利」で、アメリカは右傾化するのか

    アメリカで4日に実施される中間選挙で、仮に上下両院ともに共和党が過半数を占めたと仮定した場合、アメリカにはどんな変化が起こると予想できるのでしょうか? 法的に言えば、オバマは大統領として2017年1月まで任期を残しているわけですから、その間は議会がどんな法案を通しても「拒否権」を使って阻止することはできます。また大統領令を出して簡単な制度改正を行うことも可能です。 ですが、下院の多数を共和党に握られた改選前の「ねじれ議会」でも、オバマは政局運営に苦労していたわけですから、仮に上院も取られてしまうとなると、もっと自分の政策を通していくのは難しくなります。上下両院を共和党が支配すれば、共和党の影響力が増すことは間違いありません。 その場合、アメリカはどんな方向へ向かうのでしょうか? 一般的に民主党はリベラルで、共和党は保守だというイメージが確立しています。では、アメリカは右傾化するのでしょうか

    中間選挙「共和党勝利」で、アメリカは右傾化するのか
  • 適切だったJR西日本の「早期運休判断」

    台風19号の上陸に備えて、JR西日が早急に運休を決定したことに対して賛否両論があるようです。具体的には13日の午後から順次運転数を減らし、午後4時以降は京阪神の全線で運休をしたのですが、この方針を「13日のお出かけは控えてください」と「前日の12日に予告」して呼びかけた、確かにこれは日ではあまり前例のない対応でした。 この問題を評価するには、具体的な過去の経緯を考えておいたほうが良いと思います。5点掲げておきます。 1つ目は、国鉄民営化直前の1986年12月に、山陰線にある有名な余部鉄橋(兵庫県美方郡香美町)で発生した事故の問題です。この事故ですが、鉄橋を通過中の客車が最大風速33メートル(m/s)の突風にあおられ、機関車以外の客車の全車両が台車の一部を残して転落するという惨事となりました。 転落した客車は橋梁の下にあった工場と民家を直撃し、亡くなった車掌を含めて6名の死者を出すと

    適切だったJR西日本の「早期運休判断」
  • 愛国歴史教育に対する「米高校生の異議申し立て」が勝利した日

    最近の各国の保守主義の運動には「自国の歴史に誇りを持てるような教育」へと、歴史教育を改変するという志向があります。アメリカも例外ではありません。例えばブッシュ時代の「草の根保守」の復権を契機として、ハッキリとそうした運動が立ち上がっています。 そのリーダー格といえば、リン・チェイニー氏です。チェイニー前副大統領の夫人ですが、歴史家というより文学者という立場で「愛国歴史教育」を推進していたのです。 チェイニー氏はまず「建国の歴史」に関して「トーマス・ジェファーソンの理想主義とか、権力への牽制」といったエピソードではなく、「独立戦争の苦しい戦いを勝利に導いたワシントンの勇気」を前面に出して教えよとか、ベトナムや公民権の話ばかり教えるのはバランスを欠くなどという主張を「運動」にしたのです。 更にチェイニー氏の前にフランシス・フィッツジェラルドというジャーナリストは79年に出した『アメリカ史の改善

    愛国歴史教育に対する「米高校生の異議申し立て」が勝利した日
  • 朝日「誤報」で日本が「誤解」されたという誤解

    いわゆる「従軍慰安婦」問題をめぐる証言記事に関して朝日新聞が誤りを認め、取り消したことに関連して、あらためてこの「従軍慰安婦」の議論が盛んになっています。その議論の多くは「誤報」、つまり「狭義の強制」があったと報道されたことで、「国際社会の誤解」を招いた朝日新聞には責任があるという考え方です。 例えば安倍首相は9月14日のNHKの番組で、朝日新聞が「世界に向かってしっかりと取り消していくことが求められている」と述べたそうですし、加藤勝信官房副長官も17日の記者会見で、「誤報に基づく影響の解消に努力してほしい」と述べています。 また朝日新聞の訂正直後に実施された、読売新聞の世論調査によれば、『朝日新聞の過去の記事が、国際社会における日の評価に「悪い影響を与えた」と思う人が71%に達した』そうです。 しかし、こうした「国際社会に誤解されている」という議論は、それ自体が「誤解」であると考えるべ

    朝日「誤報」で日本が「誤解」されたという誤解
  • スコットランド住民投票の意外な意味

    スコットランド独立の是非を問う住民投票が、9月18日に行われる。僕が心配していたとおり、結果はほんのわずかの差で決まることになりそうだ。 イギリスからのスコットランドの分離独立は、わずか数千票の差で決まる可能性がある。これは極めて重大な決断で、「次の選挙」で現政権にノーを突きつけて簡単に覆せるようなものではない。賛成が過半数を占めさえすれば、たとえ反対票が49%に上っても分離独立できるなんて信じがたいことだが、今回の住民投票ではそれがあり得るのだ。そこまでの僅差だと、独立について住民の「明らかな信認を得た」とはとても言えない。独立に反対した人々にとっては受け入れがたいはずだ。 独立「イエス」派のかなりの人々は、現イギリス政府を支配する保守党政権に反発を抱いているから独立を求めている、という部分が少なからずある。正確に言うならこれはスコットランド独立のための投票というより、「イングランド人有

    スコットランド住民投票の意外な意味
  • 反ワクチン運動の危険な展開

    予防接種を拒否する反ワクチン運動が、たちの悪い展開をみせている。信じられないことだが、クリス・ムーニーが米評論誌マザー・ジョーンズに書いた記事によれば、分別のない親たちが子供への予防接種だけでなくビタミンKの接種まで拒否し始めているという。ビタミンKの投与は、新生児に対する標準的なケアとして60年代から行われてきたものだ。 そのため、乳児ビタミンK欠乏性出血症にかかった赤ちゃんを連れて、救急外来にかかる親たちが出てきているという。「珍しい疾患だが、血液凝固作用のあるビタミンKが赤ちゃんの体内に十分にないため起こる」と、ムーニーは書く。「乳児ビタミンK欠乏性出血症にかかると体のさまざまな部分で出血しやすくなり、頭蓋内出血が起こることもある」。頭蓋内出血は脳損傷を引き起こす可能性があり、場合によっては死に至る。 この問題が注目されたのは今年5月、トム・ウィレモンがテネシアン紙に書いた記事がきっ

  • 移民問題が「タブー」でなくなったわけ

    ここ数年、僕たちイギリスの国民は、一部の政治家からこんな寛大な言葉を聞かされてきた。移民について懸念するのは、決して人種差別なんかではないですよ――。 こんな「お許し」が出たのは、大きな変化だ。10年以上にわたり、多くのイギリス人が移民の大量流入に懸念をおぼえながらも、そんな心配を口にしようものなら非難されてきたのだから。僕の友人の1人も、大量の人々を外国から輸入するという事実上の「政策」をずばり批判したために、事あるごとに人種差別主義者だと非難されていた。 僕は、もっと慎重に発言するようにと彼をたしなめたこともあった。それに正直に言うと、数年前ならこのブログにこんなことを書くのすらためらわれただろう。 イギリス政治に関心のある人なら、2010年の総選挙でのあの出来事を覚えているかもしれない。当時のゴードン・ブラウン首相が遊説中、テレビカメラの前である熱心な労働党支持者の女性から移民問題に

    移民問題が「タブー」でなくなったわけ
  • ろくでなし子氏の逮捕、何が問題か?

    漫画家で美術家の「ろくでなし子」氏が逮捕されました。「わいせつ電磁的記録頒布」という容疑で、警視庁保安課が逮捕したと発表しています。問題視されたのは、女性器を「下卑たものとして扱うな」とか「自分にとっては手足と一緒」だという同氏の主張を込めた一連の創作活動の一部についてでした。 報道によると、ろくでなし子氏は女性器をかたどった小型ボート(ネット上で見るとバナナボートのパロディのようです)を制作するためネット上で寄付を呼びかけ、寄付をした人に3Dのデータを配ったことが問題とされているようです。 この事件ですが、メディアでは警察の発表をそのまま丸写しして、ろくでなし子氏のことを「自称芸術家」であるとか「わいせつデータの頒布」などと一方的に決めつけた報道がされており、こうしたメディアの対応への批判が起きています。 DJが音楽を流す「クラブ」の規制問題などもそうですが、文化的・社会的な価値観が揺れ

    ろくでなし子氏の逮捕、何が問題か?
  • 異常なことばかり、集団的自衛権議論の周辺 | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    安倍首相は7月1日に記者会見を行い、内閣によって「集団的自衛権の合憲化」が閣議決定されたとアナウンスしました。これと前後して、首相官邸前ではかなりの規模のデモが行われ、メディアも大きく取り上げているようです。 今回の一連の動きですが、どうにも「異常な」ことだらけだと思います。私には、集団的自衛権に関する問題に加えて、以下に掲げる問題の「異常さ加減」の方に、より深刻なものを感じました。 一つは、アメリカのオバマ政権は今回の「憲法解釈変更」をとりあえず歓迎しているわけですが、その意味合いというのは「制度としての変更」は支持するものの、「制度変更を後押しした政治的な動き」に関しては、支持ではなく警戒しているということです。 つまり、歴史認識の見直しを中心に中国との摩擦を強め、同盟国であったはずの韓国との結束も弱体化させつつある安倍政権の政治的な姿勢には賛同していない一方で、「米軍の負担軽減」とい

    異常なことばかり、集団的自衛権議論の周辺 | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
  • 世界で後退する民主主義

    イラクも遂に崩壊? イスラム教過激派グループISISの暴力を恐れてイラク第2の都市ホムスから逃げ出した家族 Azad Lashkari-Reuters 89年6月4日未明、天安門広場に戦車が入ってきたとき、1カ月以上にわたって続いた民主化運動もこれで終わりだと、誰もが思った。多くの学生や民衆が広場を後にする一方で、そこを動こうとしない人も数百人(あるいはもっと)いた。 そこまでは予測できた。予想外だったのは、あれから25年たっても、中国の民主化が夢のまた夢であることだ。いや、もう夢でさえないかもしれない。 当時は多くの専門家が、天安門事件とソ連崩壊によって中華人民共和国は存亡の危機にさらされるだろうと考えた。89年11月にはベルリンの壁が崩壊して東ヨーロッパの民主化が一気に進み、2年後にはソ連が正式に解体。世界中が民主化に向かって進んでいるように見えた。 実際、一時的だが民主化のドミノ現象

  • イラクはどこまで解体されるか

    6月10日に北部モースルが陥落して以降、イラク分裂の危機が現実性を持って語られるようになった。「イラクとシャームのイスラーム国」(ISIS)勢力は、北はモースルからティクリートまでを、西はファッルージャからバグダードに向かうルートを制圧し、さらに東方のディヤーラ県まで勢力を拡大している。ISISの制圧地域が地理的に「スンナ派地帯」だからというので、「イラクの宗派別分裂」が言われるのだが、事態はより深刻だ。なぜなら、分裂は地理上の問題ではなく、現政府が一つのまとまった国家領域としてのイラクを守ろう、という意思と能力がないことが、露呈されたからだ。 モースルが陥落した際に、これを守るべきイラク国軍はさっさと逃げたと、前回のコラムで述べた。イラク国軍や警察は、イラク国民をではなく、自らの宗派や民族を守ることにばかり、専念しているのだ。それだけではない。マーリキー首相をはじめとして、政府要人たちの

  • 「排外発言」とは正反対だった「舞の海氏の講演」(前回エントリのお詫びと訂正)

    昨日(27日)アップした大相撲に関するエントリで、舞の海秀平氏が講演で「外国人力士排斥発言」を行ったという報道を受けてコメントしましたが、その後、アラスカ在住の好角家の方から指摘があり、その講演の内容全体を動画サイトで閲覧することができました。 結論から言えば、舞の海氏の発言は報じられていたのとは180度異なり、むしろモンゴル出身力士をはじめとした外国人力士へのリスペクトに溢れたものでした。まずもって、お詫びと共に訂正をさせていただきます。 この講演から明らかなのは、舞の海氏もまた相撲文化の素晴らしい継承者であるということであり、その素晴らしい弁舌も含めて、名講演と言っても過言ではないと思います。 この講演で舞の海氏の指摘したのは、以下のような点です。 「相撲の発祥地はモンゴル。東進して韓国経由で日に伝わった。西進したものは現在トルコなどにも伝えられている。 「日歴史上初めて相撲が登

    「排外発言」とは正反対だった「舞の海氏の講演」(前回エントリのお詫びと訂正)
  • ものづくり信仰が日本企業をダメにする

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔4月29日/5月6日号掲載〕 ものづくり。日でこの言葉を聞かない日はない。テレビでも新聞でもラジオでも、日人は何かを職人芸的につくり上げる自分たちの能力を自賛する。 当然かもしれない。弁当箱から名刺入れ、半導体に自動車まで、日人は優れたものを異常に低い欠陥率で大量生産する驚くべき能力があるようだ(何百人もの踊り手が一糸乱れずに踊る阿波踊りは、その能力の文化面での表れだ)。 こうした日の工業製品の長所は世界中で認められていて、日ブランドの信頼性を高めている。特に安全性が重視される製品(自動車や、もしかすると次世代の発電所や飛行機)ではそうだろう。 「中国では日製エレベーターがよく使われている。中国人は日製品を信頼していて、日のエレベーターなら命を預けていいと思っている」と、香港の投資会社CLSAのアナリスト、クリスチャン・ディンウディー