プーチン大統領の「核準備」発言3月17日はロシアがウクライナ領クリミア半島を併合してから1周年であった。 それと前後してロシアは西側に対する軍事的な牽制を強めている。しかも、そこで中心的な役割を果たしているのは核兵器だ。 発端となったのは、3月15日にロシアの国営テレビ「チャンネル1」が放映したドキュメンタリー「クリミア、祖国への道」だった。この番組に出演したプーチン大統領は、クリミア編入後、「ネガティブな情勢」が発生した場合に備えて核戦力を準備態勢に移行させる可能性があったと発言し、国際的な注目を集めた。 プーチン大統領の言う「核戦力の準備態勢」が何を意味するのかははっきりしないが、戦略核部隊が運用するICBM(大陸間弾道ミサイル)やSSBN(弾道ミサイル搭載原潜)の警戒レベルを上げたり、戦術核兵器(通常は集中管理されている)を現場の部隊に配布することなどが考慮されていたのだと思われる。