「一言でいえば、私が数万円だましとられたっていう話なんですけれど──マドリードの有名な美術館でソフィア王妃芸術センターっていうのがあります。ピカソのゲルニカが置いてあるところです。その前に広場があって、私は友達と2人で立っていたわけです。すると、かばんをたすきがけにした若い男性が地図を片手に話しかけてきました。道が分からないってちょっと泣きそうなかんじで。私たちは彼が行きたい場所が分かったので、道順を説明していたら、警官がやってきて、こんなとこで何で両替なんかしてるんだ、最近は偽札が横行していて問題になってるぞと。やたら『フェイクマネー、フェイクマネー』って言うわけですよね」 読者は、この時点でなにかあやしいぞ、と思ったことだろう。これは、すでに「だまされ体験」を経て、あやしいことを知っている村井さんの口から聞くからであって、同じ状況にいたらと思うと、少なくともぼくは心もとない。なんか変な
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