ケニアの女性環境保護活動家で、2004年のノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさん(68)は4月13日、タンザニアで行われた北京五輪の聖火リレーを辞退した。マータイさんは国際電話でのインタビューに応じ、「チベットなどでの中国の人権状況を改善させるためには、聖火を持って走るより抗議活動を支援する方が大切」と辞退した理由を語った。(ロンドン 木村正人) −−当初、聖火リレーに参加する予定だったが 「06年トリノ冬季五輪の開会式では、女性8人だけで五輪旗を運んだ。2回目となる北京五輪でも調和という五輪の理想と選手たちを支援するため、アフリカで唯一、聖火リレーが行われるタンザニアでのランナー役を引き受けた。チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世が『北京五輪を対話の機会として生かす』と話すのを聞き、聖火リレーを通じて人権と環境問題をアピールできると考えた」 −−直前になって辞退を決めたのは