もしも君が破綻寸前の金融機関の経営責任者であるとしよう。間もなくやってくるであろう決算期を前にして、ボロボロになったバランス・シートを眺めながら打つ手は何が残されているだろうか? ちょっと考えてみて欲しい。 解答例としては以下の3つがある。 1. とりあえず大蔵省に駆け込んで、涙の限り嘆願する。 2. 手持ちの自社株をさっさと売却して換金しておく。 3. 出入りの外資系金融機関のセールスマンからありったけのオフショア・ファンド、仕組債等あやしげなデリバティブ商品を買いまくる。 1の方法は悪くない。頭は下げてみるものだ。プライドはいくら傷ついても、一滴の血も流れないのだから。手にする成果は充分にペイするだろう。実際この手はこれまで何度も威力を発揮してきた。公定歩合は下がって業務純益は増え、償却余力は多少出来た。不動産の評価替と、有価証券の原価法適用によりBSの見栄えも良くなった。