産土神に帰省の挨拶でもしようかと長く傾斜のきつい石段の参道を登った。「白山神社」はいつ訪れても神々しい雰囲気を醸し出している。昔は鬱蒼とした森の中に佇んでいたが周辺の森が伐採されて今はやや神々しさも薄れた感があるが、それでも苔むした拝殿前の広場は相変わらず瑞々しくて美しい。 参道を登りきると両脇に狛犬が睨みを利かし、拝殿前に出ると見事な石灯籠(1843年寄進、旧本匠村文化財)が両脇で空間を引き締めている。境内にはトガやイチイカシ(旧本匠村文化財)の巨木がまるでこちらを睥睨しているようだ。 神殿には御神体の本尊の高さ40cmほどの十一面観世音、右側に阿弥陀、左側に薬師如来の三体、左側の箱には天神様の木像、立像と座像各一体、右側の箱には奇妙な形をした石灰石が三体(白山神社の御神体)納められている(そうである)。 神社の立つ小高い山の平尾根を散策していると石造の鳥居跡を見つけた。半倒壊した石柱に