中国の文化大革命(1966年から10年間続いた)は中国五千年の貴重な文化財を悉く破壊してしまった。革命とはかくも下劣な事をする。それだけならまだしも文革による犠牲者(死者)は40万人あるいは2千万人は下らないとまで言われる。毛沢東の政治的意図を盲信的に実行する狂信的な紅衛兵による弾圧、殺戮は手がつけられなかった。 最近ではタリバンによるバーミアンの石窟遺跡の破壊がある。狂信というものは民衆側ではなく権力側に発生の基があるということを肝に銘じておかねばならない。 皮肉な事に中国の文化財の多くは文革前の国共内戦で蒋介石の国民党が台湾に持ち去っていた為難を逃れたという幸運もある。中国各地には今でも当時のままの歴史遺跡は殆ど残っておらず、例え復元していても安っぽさを拭えない。旅の詩情も台無しで再訪する気にもなれないのである。 さて、日本もこれを笑えたものではない。明治維新である。同じような事をやっ