老舗ジーンズメーカーのビッグジョンが再出発することになったことは以前のこのコラムでも書いた(「ビッグジョンの経営不振は『低価格ジーンズ』のせいか」)。これによって、国産ジーンズナショナルブランドで大手と呼ばれる企業はすべて経営問題に晒されることになった。 ボブソンは一度倒産してから新ボブソンとなって昨年11月に復活。1社のみ盤石と思われたエドウインも昨年8月に損失隠しが発覚し、いまだに支援先が決まらないままだ。そしてビッグジョンである。 どうして隆盛を極めた大手ジーンズメーカー各社がこのような状況に陥ったのかについては複合的な要因であり、識者がさまざまな分析をしている。その中であまり触れられていない重要な要素がある。ジーンズ専門店チェーンとの関係だ。今回はそこに焦点を当ててみたい。 思い出すジーンズチェーン店での返品作業 筆者は1994年から96年半ばまで洋服の販売員をしていた。1900円