親父がチャッカマンというあだ名だった それがまず悲しいんだけど、まさか襲名するとはな 俺が社内研修で旅館行った時に、青くて丸い固形燃料に火をつけて回ってたんだけど(仲居さんはいなかった)、それがうまいと誉められ、チャッカマンというあだ名をつけられた その話を親父にしたら、「俺もそう呼ばれてたよ」と言い出す 同じように社内旅行でチャッカマンで火をつけるのがうまかったからだそうだ 確かに俺は親父からチャッカマンの使い方を教わっていた それにチャッカマンを上手く使う遺伝子なんかがあるんだろうな 他人とは違うチャッカマンのさばき方をどうしてもしてしまうんだろう 「お前に子供が生まれたらチャッカマンの使い方を教えるんだぞ」と親父は言った 「やだよ、馬鹿にされてるんだぞ?」と言い返したら、 「じゃあ俺が孫に教える」とか言い出す。 まあその頃には親父も歳でチャッカマンなんて使えないだろうし、そもそも忘れ
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