映画やドラマのなかで行われる「あと1年です」などという余命宣告。しかし、内科医の名取宏さんは「余命をきっちり当てることのできる確率は非常に低い。あくまで目安と考えなくてはいけない」という――。 意外と難しい「余命宣告」 ドラマや映画などで登場人物が「余命宣告」される場面が登場することがあります。フィクションですから作品が面白ければ問題ないことはわかっているのですが、その上で、医師としては「そんな説明では誤解を生むだろう」と感じることがあります。 そもそも、じつは余命宣告はあまり当たりません。ある病気の人が、あとどのくらいの年月を生きることができるのかを正確に予想するのは難しいです。医師側からは余命宣告とはあまり言わず、通常は「余命予測」や「余命告知」などと表現します。ドラマで余命告知される病気は、たいてい悪性疾患(がん)です。 学会や大病院が、さまざまな種類のがんの病期別に患者さんがどれく