雑菌の繁殖を抑えるなど通常の氷より長く鮮度を保つことができる「窒素氷」を本格的に生産する製氷工場が北海道釧路市に完成した。8日から始まるサンマ流し網漁で遠方への輸送で効果が期待されている。 工場は冷凍水産物製造会社「釧路東水冷凍」(西塚明任社長)が同市の釧路港副港近くに建設した。1日最大40トンの生産が可能で、同規模での生産は全国で初めてという。 同社によると、窒素ガスを水に注入するとともに、魚の酸化を促す酸素の大半を取り除くことで、鮮度が落ちるのを防ぐ。水だけを凍らせた氷では、水揚げ後のサンマは3日程度しか鮮度を保つことができないが、さらに1〜2日輸送期間が長くなっても鮮度維持できるという。 窒素氷の製氷技術は同市の別の冷凍機器メーカーが開発したが、試験的に製造されているだけだった。 窒素氷の製氷は通常より電気消費量が多く、経費も割高となるが、同工場では通常の氷と同じ価格で販売する。西塚