◇不活化ワクチンの緊急輸入を 春の予防接種の季節を迎えた。気がかりなのがポリオ(急性灰白髄炎(かいはくずいえん))のワクチン接種だ。ポリオを防ごうとしてワクチン接種したのに、そのワクチンでポリオが発症するという異常なことが日本で長く発生している。もはや国の放置は許されない事態だ。 ポリオは、ポリオウイルスに感染して発症する。大抵は感染しても発症しないが、まれにウイルスが脊髄(せきずい)神経に侵入し、上下肢などがまひする。いわゆる小児まひだ。 ポリオは1960年まで大流行していた。発症患者は年間約1000~6000人もいた。事態を重視した政府はカナダや当時のソ連から生ワクチンを輸入し、発症率を劇的に低下させた。以後、国による生ワクチンの予防接種が行われている。 ワクチンには2種類ある。生きたウイルスを弱毒化させた生ワクチンは経口で飲みやすいのが長所。ウイルスを殺した不活化ワクチンは注射する。