既存の治療薬がほとんど効かず、世界保健機関(WHO)が警戒を呼び掛けている「超多剤耐性」の結核菌が、国内でも入院患者の0・5%から検出されたことが、結核研究所の調査で分かった。 結核菌は、薬の服用を途中でやめるなど誤った治療で耐性が生じやすく、既に国内でも問題になっているが、それより治療が格段に難しい超耐性菌の確認は初めて。 検出例の半数は薬の服用歴がなかったことから、他の患者から感染した可能性が高い。調査した同研究所の御手洗聡細菌検査科長は「菌の耐性の強さに応じた個室療養を可能にするような治療態勢の見直しが必要だ」と指摘している。 御手洗科長らは、二〇〇二年六-十一月にかけて国内九十九の結核治療施設の入院患者三千百二十二人から採取した結核菌を分析した。 効き目が強い二種類の第一選択薬がともに効かない多剤耐性菌が五十五人(全体の1・8%)に見つかったが、うち十七人(同0・5%)から検出され