海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、情報・システム研究機構 国立極地研究所、北海道大学、常葉大学との共同研究により、北極海の海氷減少が海洋生態系にどのような影響を与えるのかを調べるために、北極海の太平洋側に設置した「セディメントトラップ係留系」による観測を実施し、さらにその観測結果を踏まえた「渦解像海氷海洋結合モデル」による数値実験を同機構が所有するスーパーコンピュータの地球シミュレータを用いて実施した結果、栄養分の豊富な大陸棚由来の海水(陸棚水)が、近年の海氷減少で活発化した海の渦や循環によって水深の深い北極海盆域を輸送されることで、初冬の海氷下においても生物由来の有機物粒子が多く沈降していることを明らかにしたと発表した。 成果は、JAMSTEC 地球環境観測研究開発センターの渡邉英嗣研究員、同・小野寺丈尚太郎主任研究員らの共同研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、日本時間5月27