DIC川村記念美術館はサイ・トゥオンブリーのブロンズ彫刻を収集し、同館が所蔵するトゥオンブリーの絵画作品《無題》(1968年)とともに展示する「トゥオンブリー・ルーム」を開設した。 サイ・トゥオンブリー 《無題》1990年 ©Cy Twombly Foundation サイ・トゥオンブリーは、アメリカ現代美術を代表する作家のひとりであり、ロスコやポロックらアメリカ抽象表現主義の巨匠たちの次世代を代表する画家として、彫刻、素描、写真作品においても優れた作品を残し、「孤高の詩人」とも評される。 今回、同館が新たに収蔵したブロンズ彫刻は、トゥオンブリーの作家人生において重要な作品として位置づけられている。元来、ブロンズの原型となった作品は1966年に旧友エリザベス・ストークスに贈るため、木製の台座と石膏を材料として制作されたのだという。その後、保存の問題からエリザベスの希望を受けて5点のブロン