ユーザーインターフェース設計に関連する用語を紹介するグロッサリー。
Suicaの開発プロセスについて触れておきたいと思います。すでにいろいろなところでしゃべったり書いたりしたことなので、ここでは裏話的に。 ことの発端は、1995年にJR東日本の非接触自動改札機(まだSuicaという名前はなかった)の開発担当者が、私のところに相談に来た所から始まります。ICカードを使う改札機については、すでに10年以上研究されており、技術的にはほぼ現在と同じレベルに近付きつつありました。 しかし、実際に試作してテストしてみると、ちゃんと通れない人が半数近くに登りました。特に実験に参加した重役達の評判は悪く、「私のは5回に一回しか通してくれない。2割バッターだ」などと、開発部長が会議の席で罵倒される場面もあったりして、開発中止直前に追い込まれていたそうです。 原因はある程度分かっていました。お財布ケータイやセキュリティカードに慣れた現代の皆さんなら、カードを当てる場所はすぐに
もう2年以上前の話になりますが京都で講演をしたとき、利用者に響くWebサイトにおける構成要素を幾つか紹介しました(スライドはこちら)。機能性や有用性のようなユーザビリティに関わる要素だけでなく、有意義や満足度といった感情に関わる要素も紹介しました。利用者へよい体験を提供したいと考えているのであれば、こうした感情的な要素は外せません。利用者にとって有益なコンテンツを提供しているかどうか判断する上でも感情的な部分はひとつの測定要素といえるでしょう。人間のもつ特性や要因を把握し、利用者に良いと思ってもらうようにデザインすることを「Desirability」と呼ぶことがあります。 あまり聞かない言葉ですが、Useful, Usable and Desirable: Usability as a Core Development Competenceという Desirability に関する記事をマ
RPAによる自動化を年30万で実現 小さな投資が目に見える大きな効果に! デジタル化によるわかりやすい業務効率向上 日清食品グループのDX(後編) 内製化とローコードで実現?ビジネス部門 によるアプリ開発のリアルボイス! デジタル時代のITインフラ構築術 仮想化統合、クラウドを経て今「マルチ」へ ITインフラの最適化と継続的進化への道筋 単純なインフラ製品の販売ではない DX、コンテナプラットフォームの実証など 自社の取り組みで得られた知見を顧客に提案 大学、研究機関、製造業など いま目覚ましい躍進ぶりを見せるデルのHPC その背景と選ばれる理由にせまる コンテナをエンプラITに! コンテナ活用の基礎 本番実装が増える背景とメリット DXの成否を分けるのはガバナンス Microsoft Security Forum 2021 Day2 どこよりもわかりやすい基調講演解説! ものづくり現場の
写真を撮る機会は実に多くありますが、特に結婚写真は一生の記念になる大事な写真ですので、できるだけ良いものを残しておきたいものですね。 結婚前は何かと忙しくなりますが、疲れが残らないよう、写真撮影の前にはしっかり休息を取っておきたいですし、エステなども利用して、できるだけきれいな状態で撮影にのぞみたいものです。 そして、結婚写真は挙式当日に撮影されるカップルも多いですが、やはり慌しいこともあり、せっかくの写真も表情が硬くなってしまったという経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。 結婚写真は最近は前撮りでゆとりを持って撮影される方も増えているようです。 メイクや着付けも時間をかけられますし、時間にも余裕がありますので、より自然な表情で撮影ができるのもメリットです。 そして、式当日とは違う衣装を選ぶことができるのも良いですね。 スタジオ撮影はもちろん、ロケーション撮影などで屋外での
ユーザーインタフェースの『デザイン』はとにかく奥が深くて面白い。その奥深さを私に知らしめてくれた名著3冊を紹介します。 どれも新しい本ではなく、また明日からすぐに使えるような技を紹介するレシピ本でもありません。時に、著者のひとりよがりな議論も見受けられます。しかしながら、それらを差し引いても、十分に読む価値があると思いますし、いずれの本も私の心に強く残っています。 著者達のデザインに対する深い洞察と熱い思いが、読者をデザインの本質に力強く導いてくれる、質の高い読み物です。ユーザーインタフェースのデザインに、腰をすえて向き合いたい人に、特におすすめします。 川原英哉 Sun Microsystems所属時に、次世代3次元デスクトップ環境である『Project Looking Glass』を発案して以来、新しいユーザーインタフェースの可能性の追求に没頭する。その後、米Googleを経て、現在は
これからの IT を考えるにおいて、単に技術や刺激的なビジュアルだけでなく、社会科学への知識がより重要になってくると思います。最近読んでいる書籍や資料、そして考えていることも Web におけるデザインの役割と人間関係ついてが多いかもしれません。しかし、社会科学といっても大変幅が広いですし、それとデザインを関連付けさせるにはハードルも多いかもしれません。そこでヒントになるのが「The Ten Faces of Innovation (訳本)」に書かれている 11人の必要とされる人間像。その中で紹介されている『人類学者 (Anthropologist)』は人とデザインをつなげる重要な役割をもっている存在です。 ちょうどそんなとき、Adobe Design Center で Design Anthropology (デザイン人類学) の助教授をしていらっしゃる Dori Tunstallさんが執
なんでもかんでもユーザーに聞けばよいってわけじゃない。 いや、ユーザー中心のデザインにおけるユーザー調査では、むしろ、「ユーザーの意見は聞いてはいけない」とさえいわれます。意見を聞くのではなく、ユーザーの行動を観察せよ、と。 でもね。ただユーザーを観察すればよいかっていうと、そういうわけでもないんですよね。 観察調査だっておなじで「わかろう」としなければ何も「わかりません」。 極端な話、ただ見るだけだったら目をあけてるあいだなら誰でも四六時中やってるわけです。見るだけでわかるなら、とっくにわかってていいはずです。わざわざ観察調査をするのは、単に目の前でユーザーに普段の行動をとってもらうためだけじゃありません。 観察調査というのは、ユーザーの行動のなかに未来のデザインの輪郭を見つけるためのものです。つまり、実際にはそこにあるようでない「未来のデザインの輪郭」なるものを見るわけですから、ぼーっ
一昨日メディアの方とランチしながらふと話題になったのが「今の家電メーカー製デジタル家電って機能ありすぎてわかんないよね」という話で、先に書いたRSSリーダーの話にも通じる。 まったくもってその通りなんだが、じゃぁ「なぜ・どうしてそうなっちゃったの?」を紐解くと、わりとシュールな要因が浮かんでくる。 ズバリ言ってしまうと既存機能に上乗せする企画は通すのが簡単だし、リスクが少ないからだ。多少使いにくくてもそれが売れない決定的理由にはなりづらいことから、(売れなかったときの)責任を問われる立案者・決裁者ともに「多少複雑になってもかまわず機能を上積みしていくこと」は保身のためを考えるとリスクが少ない手法というわけだ。逆に削ることは、安定した大企業の会社員としてはものすごい勇気がいる。下手すりゃ前モデルで20%あったシェアが5%とかに落ちてしまう可能性も高いわけで、そんな企画を立案した者(担当者)・
こないだの「インターネットってどういう仕組みで動いているの?」に書いた事前研修でユーザビリティの大切さについても話したいと思って簡単なフォームを作ってみたよ。 想定ターゲットはユーザビリティのユの字も知らないような人や、これからウェブサイトの設計、構築の仕事をしようとしている人。これらの人にユーザビリティの大切さに気づいてもらうために、前回と同じように話す内容をとりあえず書いてってみる。 ちなみに前回のインターネットの仕組みからユーザビリティって話が飛んでるけど、そういうことは気にしないで思いつくことをメモ的にどんどん書いてって、流れは最後に考えようかなって感じ。 じゃあ、さっそく始める! ユーザビリティって何? まず始めに、みんなは「ユーザビリティ」って言葉は聞いたことあるかな? 日本語で「使いやすさ」って意味なんだけど、利用者がいかにストレスなく、便利で簡単で直感的な操作ができるか、っ
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 誰のためのデザイン? これは認知心理学者であり、ユーザビリティやユーザーエクスペリエンスの観点から数多くの著書を書いているドナルド・A・ノーマンの著書"The Psychology of Everyday Things"の邦題となっている言葉です。 「私は引いて開けるドアを押してしまったり、押して開けるドアを引いてしまったり、横に滑って開くドアに正面から突っ込んでいってしまったりする」という使い勝手の悪いドアの例をはじめとして、ノーマンはこの本で、オフィス用の電話機や照明スイッチ、ガスコンロや水道の蛇口など、日常的に使われているものデザインがいかに人間を戸惑わせているかという例をたくさん紹介しています。 また、ヒューマンエラーのせいだとされる飛行機の墜落事故や原子力発電所の
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 僕が編集長をつとめさせていただいている Human Information Interface lab にも参加されている First Penguin さんがユーザビリティに関して面白いまとめをされています。 ※ちなみに、First Penguinとは、英語圏では、勇気を持って新しいことにチャレンジする人のことを指すそうです。僕も前にこんなことを書きました。 人間は規制を嫌う。オープン・ソース化の今だからこそ、柔軟性のあるサービスが求められている。ユーザーの創造性を活かさなければならない。ユーザーに、サービスをハイ・ジャックさせるイメージ。完全体をリリースするよりも、問題点を察知し、改善していくプロセスの方が人々には認められやすいのではないか。 First Penguin
僕は開発者側から情報設計に興味を持ったタイプなので、やれボタンが右だの左だのというビジュアルデザインレベルの情報配置や色やサイズ云々はそんなに得意ではありません。僕が重視しているのはWebアプリケーションのシステムアーキテクチャと情報アーキテクチャは不可分だから、機能設計する奴が情報設計を考えてなくてどうするよ!というところです。 昔、CMSの管理画面の情報配置に関する見た目の改善をデザイナにお願いしたときに、こともあろうにそのUIを真に受けると仕様が変更されてしまうことがあって、 「それ仕様変更じゃん」ということに頭が来て、結局、僕じゃない開発者と考えがあわずに、黙って中庸なところに落とし込んでしまって後からエライ怒られたことがあるんだけど、後から考えれば確かにデザイナの直感も一理あるなと思ったところであった。 ユーザインターフェースの設計とは何を捨て、何に的を絞るのか?というプロダクト
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 さてさて、ここ最近のエントリー(「答えはユーザーが知っている」など)では、奥出直人さんの『デザイン思考の道具箱―イノベーションを生む会社のつくり方』、トム・ケリーの『発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法』を読み進みつつ、デザインによって「イノベーション」を生み出す「デザイン思考」「デザイン戦略」という考え方、それを実現するための「創造のプロセス」、そして、実際のプロセスの中で使われる「フィールドワーク」「プロトタイプ」「ユーザーテスト」「ブレインストーミング」などの手法を紹介してきました。 社会に新しい価値をもたらすイノベーションを技術ではなくデザイン思考で創造することを目指し、そのためにユーザー中心のデザイン・プロセスで、観察
不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 デザインする僕らではわからないことも、ユーザーが教えてくれる。ユーザーテストを行う利点は、そこにあります。 1つ前の「ユーザーテストを行う企業文化(インタラクション・デザインの未来)」でも、ユーザーテストの有効性について書きましたが、どうも多くの方が「ユーザーテスト」というものを誤解されていらっしゃるのではないかと思っています。 アンケート法との違い例えば、ユーザーテストは5人やれば十分と言われています。 この人数を聞いて、そんなに少なくて何がわかるんだという方は多い。でも、それはアンケートなどの調査手法に慣れてしまっているからなのでしょう。 しかし、「ユーザーテストを行う企業文化(インタラクション・デザインの未来)」でも書いたように、アンケート法とユーザーテスト法では、そ
ユーザビリティのヒント(2) 「メールが送信されました」 伝えるのなら、控えめに 「Yahoo!メール vs Gmail」 ソシオメディア 上野 学 2006/7/28 Webアプリケーションのユーザーインターフェイスデザインに役立つさまざまなTips集。Yahoo!メールとGmail、使いやすいのはどっち?という疑問から使いやすいユーザーインターフェイスを考えてみましょう(編集部) 前回から始まったこの「ユーザビリティのヒント」ですが、今回もいくつかのTipsをご紹介しながら、Webアプリケーションのユーザーインターフェイスやインタラクションデザインについてボトムアップに考えていきたいと思います。 Webアプリケーションによっては、JavaScriptなどを使用して、ウィンドウの開閉、サイズの変更、スクロールバーやボタン類を隠す、アドレスバーやステータスバーを隠す、といったことを行ってい
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