上智大、明治大、立教大、同志社大、聖マリアンナ医科大…。 熊本マリスト学園高(熊本市東区)の2020年度の学校案内パンフレットをめくると、「主要指定校推薦大学」の欄に有名私立大の名前が並ぶ。 指定校推薦は、大学が指定する高校に推薦枠を与える入試制度。高校は成績などを基に生徒を選抜し、大学が面接、小論文などの試験を課す。主に私立大が実施し、ほぼ全員が合格するといわれる。 同高の卒業生約180人のうち、ほとんどが大学に進学。「卒業生の8人に1人が医師」という同高は、130校以上の指定校枠を持ち、医科大のほか、カトリック系の大学も目立つ。 3年の糸永愛さんは指定校枠を活用し、東京の私立大への進学を決めた。「一発勝負より、日ごろの学校生活を評価してもらう方が自分には合っていた」 指定校枠で進学するのは毎年20人ほど。進路が保障される半面、一般的に学力試験を課さないことから、かつては「甘え」と受け取