冒頭の写真はグアムの収容所で撮影され、ワシントンのアメリカ海軍国立博物館に貯蔵されていた。もとはモノクロだった。色付けされたことで、南国の抜けるような青空が目に留まるように鮮やかになった。よく見ると、写真右側にある木の奥に鉄条網のような網があり、そこが収容所であることを改めて物語っていた。 モノクロ写真をAI(人工知能)と人のコラボレーションによってカラー化することで、凍てついた記憶を解凍し、戦争体験者の「想い・記憶」を未来に継承することを試みる「記憶の解凍」という活動がある。広島市出身で東京大学2年生の庭田杏珠さんと、東京大大学院情報学環教授の渡邉英徳さんによる活動で、戦前から戦後のモノクロ写真を、AI技術で自動色付けしたのち、資料・当事者との対話・SNSで寄せられたコメントなどを活かしながら、人の手で色補正を繰り返し、カラー化写真を完成に近づけていく。 モノクロ写真355枚をカラー化し