「救急に従事する医師等の範囲は不明確」─。深夜の救急患者に対応する当直などで勤務医の疲弊が叫ばれる中、厚生労働省が出した答えは「救急医療の調査は難しい」だった。中医協委員から反対意見は出なかった。(新井裕充) 「救急に従事する医師等の範囲は不明確で、バラつきが大きいのではないか」 「現状の調査では解釈に窮するデータが多く出るのではないか」 10月15日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、厚労省はDPCの調査について救急を除外する調査案を示し、了承された。委員から反対意見はなく、審議は5分でアッサリ終了した。 【勤務医の疲弊】 入院医療費の一部を定額払いにするDPCをめぐっては、入院期間の短縮をめざす動きが加速することに伴う粗診粗療が問題になっている。DPCは入院期間が長くなると報酬が下がる仕組みであるため、「十分な治療を施さないまま退院させてしまっている」と危惧する声もある。 一方、