歴史的なインフレに直面しながらも、金融緩和政策を維持し続ける日銀の政策は吉とでるのか、凶と出るのか。日本経済の動向を多面的に分析した英経済紙のレポートをお届けする。 中国には、「三十六計逃げるに如かず」ということわざがある。戦いに勝つ方法を36通り考えるよりも潔く撤退すべし、という意味だ。 【画像】「日銀の対応は壮大なギャンブルだ」英紙がインフレに苦しむ日本経済を危惧 2022年の秋、このことわざが東京証券取引所の立会場で聞かれるようになった。日本政府と日銀は、30年ぶりの円安に歯止めをかけるため、四度にわたる円買い・ドル売りの為替介入を実施したのだ。 これに投じた資金は、9兆1881億円に上る。 この一連の介入は、グローバル市場の流れに抗う戦略のひとつにすぎない。日本がイールドカーブ(利回り曲線)を適切な水準に維持しようと奮闘しはじめてから数年、6月末時点の日銀の日本国債保有額は500兆