変身して「本当の自分」に戻る日本、変身しても「もとのまま」の欧米 こうした日本人とシンボルとの関係、そしてシンボルを使っての変身は、現代になって始まったことではないと武本先生。 「昔のスーパーヒーロー、たとえば桃太郎や水戸黄門、遠山の金さんも、チャンバラをする前にシンボルを取り出して変身します。シンボルを使って初めて、スーパーヒーローに変身できるの」(武本先生) 桃太郎の鬼退治はきびだんごがあればこそだし、水戸黄門は印籠を取り出してから悪人どもを懲らしめ、遠山の金さんももろ肌脱いで桜吹雪の入れ墨を見せつける。それまではただの子ども、老人、遊び人だった人物が、シンボルを使うことで初めて本当の自分、つまりは“強くて頼れる正義の味方”たる、自分の中の、本当の自分自身を解き放つことができるのだ。 その一方、欧米のスーパーヒーロー、たとえばスーパーマンやスパイダーマンの変身には、目立ったアイテムは登