日本の子供たちの読解力低下が懸念されている。経済協力開発機構(OECD)が昨年12月に公表した国際学力調査の結果では、15歳の読解力が4位から8位に順位を下げた。文章や資料を読み解く力がないと、深く考え、自分の考えを表現することは難しい。読解力向上には何が必要なのか。 埼玉県戸田市の戸田第一小学校で27日、公開授業が行われた。3年1組の約30人は値段が書かれたケーキの絵を見て、足し算やかけ算の計算式を考え、それに合う問題文づくりに挑んだ。「問題文を自分で作ってみることで、文章題の理解が進む」と担任の坂野(ばんの)武教諭(38)は語る。こうした授業に取り組むのは、問題文をきちんと読めない子供たちがいるためだ。 戸田市は昨年2月、人工知能(AI)の研究で知られる国立情報学研究所の新井紀子教授らと、市立中6校の生徒計340人の基礎的な読解力を測るテストを実施した。その結果、4人に1人は問題文を正