アニメの収録は、最初にテスト、そのあと本番の順番で行います。テストは、事前に台本を読んだり映像を見たりした役者が、「私は作品やキャラクターをこのようにとらえました」と表現する場です。そこで齟齬(そご)やスタッフサイドからの要望があった場合は音響監督が役者に伝え、本番ではそれを踏まえて演じてもらいます。 かつては、通し見、テスト、本テス、本番の順番でやっていました。フィルム時代は事前に映像を渡すことができませんでしたから、収録現場で一度みんなで通して見て、それからテストを行います。その後、本テス、本番という順番ですね。今は映像を事前に渡していますから、通し見とテストは自分でやっておきなさい、ということです。 限られた時間で収録を行うアフレコ現場には独特の緊張感がありますが、フィルム時代はもっと張り詰めていました。今はセリフを間違ってもちょっと巻きもどせばいいですが、フィルム時代は頭からやり直
![【明田川進の「音物語」】第30回 アフレコの「テストと本番」の意味](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/49e41817c0ae88d43b580407a10c7e221b5eb4c7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Feiga.k-img.com%2Fimages%2Fanime%2Fnews%2F109894%2Fphoto%2F3d5459aa411c2795%2F640.jpg)