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  • 齋藤なずなインタビュー(代表作『ぼっち死の館』『夕暮れへ』)【幼少期編】神様にお願いした夢 | マンバ通信

    「老人の生態漫画を描いている!」「生態というか…かなり死んでいく!」「これは新しい!いや、古い!いや、かえって新しい!」…などなど、とにもかくにも令和の時代の最先端、77歳漫画家、齋藤なずな先生なんであります。謎が多い。なぜ40歳デビューなのか。なぜ77歳で活筆なのか。なぜこんなに面白い漫画を作れるのか。取材班は、甘いケーキときれいなお花を手に、雨降る中をバスで突っ切って停留所を降り、東京の奥深い土地にある団地=ご自宅を急襲。にゃー、にゃー、にゃー、ニャンコが女主人をガードする中をなんとかかいくぐって、生の声をインタビューしたのであった。「顔編」「編」「幼少期編」の3回に分けてお送りします。(顔編はこちら)(編はこちら) 取材/文/撮影:すけたけしん 着ている服がたまたま似ている。 色々と(命が)流れてくるのですよ ──先生は、空を見る時間と水を見る時間がどちらが多いですか。 それは何

    齋藤なずなインタビュー(代表作『ぼっち死の館』『夕暮れへ』)【幼少期編】神様にお願いした夢 | マンバ通信
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    bokmal 2023/11/22
  • 『天国 ゴトウユキコ短編集』双葉社 2023年 ジャンルについて(1)【夏目房之介のマンガ与太話 その22】 | マンバ通信

    今回は『天国 ゴトウユキコ短編集』【図1】を取り上げてみたい。すでに活躍している作家で、ちょっと怖い作品や人の闇を扱うような作品も描いているようだ。が、申し訳ないが、私はこので初めて読ませていただく。版元から送ってもらったのだ。 『天国 ゴトウユキコ短編集』 表紙を飾る少女の絵が、この作家の資質を示している。ピュアな少女の表情をサラッと描いているように見える。しかし、どこを見ているのかわからない二つの瞳の微妙な位置関係、小さな鼻に慎重に描かれた鼻の穴、唇の位置や繊細に引かれた線、淡い彩色の気遣いなど、とても注意深く表情を描き込んでいる。このを手に取る人は、そんなことまで考えないだろうが、無意識にそうした繊細さを受け取っているはずだ。漫画読者であれば、初見でもそうした無意識の印象で、ある種の「期待」をもって手にとるかもしれない。 『天国までひとっとび』『2月14日の思い出』『家庭教師』

    『天国 ゴトウユキコ短編集』双葉社 2023年 ジャンルについて(1)【夏目房之介のマンガ与太話 その22】 | マンバ通信
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    bokmal 2023/09/30
    “ほんの少しだけ、この作品への読者の「期待」の稜線を越える。作品とは常に、受容者の期待に沿って、しかも巧妙にそれを裏切ることで、面白さを保証するのだ”
  • 正チャンと多様なマーチャンダイズ | マンバ通信

    正チャン帽はキャラクター商品第1号 現在の私達の生活は、マンガやアニメのキャラクターたちに囲まれて回っている。ファッションや文具、器類は言うに及ばず、家具や電気製品にいたるまで、さまざまなキャラクター商品が存在するのだ。自動車にゲームやアニメのキャラクターを描いた「痛車」も珍しいものではなくなった。 日のキャラクター・ブームに先鞭をつけたマンガが『正チャンの冒険』ということはあまり知られていない。 主人公・正チャンのかぶるてっぺんに房がついた毛糸帽が「正チャン帽」の名で親しまれ、子どもたちの人気を集めたののである。 仕事場が大阪にあった1980年代の後半、筆者は正チャン帽の原点を探したことがあった。大正時代には大阪が帽子産業の中心だったから、なにか記録が残っているのではないかと考えて、1917(大正6)年創業の老舗帽子メーカー・大一や、船場の日帽子協会を訪ねて取材を試みたが、残念なが

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    bokmal 2023/09/15
  • ストーリー4コマの確立以前にアナーキー4コマ漫画家が描いた愛の物語—うのせけんいち『ふんどし太郎ストーリー』 | マンバ通信

    『ふんどし太郎ストーリー』 「4コマ漫画」というジャンルがあります。いや、「ある」とわざわざ言われずとも皆さんご存知のジャンルでしょうが、しかしこれが、我々が今知っているような形になった時期については知らないという方も結構いるのではないでしょうか。実は意外と古くなく、80年代前半です。もちろん4コマ漫画自体がこの時期に生まれたというわけではありません。例えば新聞4コマなんかはもっと前、それこそ戦前から存在していました。ただ、以前に『ROCA』の記事でもちょっと触れましたが、『まんがタイム』『まんがライフ』などといった現在まで系譜がつながる「4コマ漫画雑誌」というのは、植田まさし・いしいひさいちという両巨頭の登場を受けてこの時期に生まれたものなんですね。「単行は幅が薄めのA5判であることが多い」というのもこの時期に確立されたものです(ちなみに、これによって書店でA5コミックスの棚が拡張され

    ストーリー4コマの確立以前にアナーキー4コマ漫画家が描いた愛の物語—うのせけんいち『ふんどし太郎ストーリー』 | マンバ通信
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    bokmal 2023/06/06
    『ウノケンの爆発ウギャー!!』めちゃくちゃ懐かしい
  • すがやみつる『コミカライズ魂』【夏目房之介のマンガ与太話 その15】 | マンバ通信

    『コミカライズ魂 『仮面ライダー』に始まる児童マンガ史』 私と同じ1950年生まれのすがやみつるさんは、とんでもない人である。マンガの話を研究者などとしていると、「あ、それはね…」といって、誰も知らないような内輪話を始める。あっけに取られていると、じつは石ノ森章太郎、ジョージ秋山などのアシスタント経験があるとか、69年頃大手出版社の下請け的な〈日初のマンガ専門編集プロダクション〉(P.72)と名乗る鈴木プロに就職して宮谷一彦の原稿を扱っていたとか、様々な現場にいちいち出没し関わってきた経験談を語る。そんなの誰もかなわない。 現場叩き上げの典型みたいな人で、その交友や現場体験は、どれも60年代末~70年代の激変するマンガ出版界の貴重な証言なのである。しかも異常なほどの記憶力で、細部まで憶えている。なので私は彼を、畏敬をこめて「マンガ界のフォレストガンプ」*1と呼んでいる。 70年代前半にマ

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    bokmal 2023/02/28
  • ひばり書房が残した幻の作家の最高傑作が35年ぶりに蘇った—川島のりかず『フランケンシュタインの男』 | マンバ通信

    『フランケンシュタインの男』 かつて、「ひばり書房」という出版社がありました。一部マニアを除いてその名が忘れられて久しいですが、ホラー漫画というジャンルの歴史を語る上で最も重要な出版社です。終戦後まもない47年に創業し、赤漫画〜貸漫画という分野で様々な作品を出版、58年からは日初のホラーコミックアンソロジーシリーズ『怪談』を100冊以上刊行し、70年代以降は新書判の描き下ろしホラーを中心とした単行(初期の、俗に「黒枠」と呼ばれるシリーズと、後期の「ひばりヒットコミックス」というレーベルがメインです。描き下ろしホラーが100%だったわけではなく、他者の雑誌掲載作や、スポーツ漫画や少女漫画なども出しています)の販売にシフト、88年まで漫画を出し続けました(なお、ここで倒産したという誤解が一部で見られますが、会社は04年に閉業するまで存続しています)。このひばりヒットコミックス、同じ

    ひばり書房が残した幻の作家の最高傑作が35年ぶりに蘇った—川島のりかず『フランケンシュタインの男』 | マンバ通信
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    bokmal 2023/02/16
  • 矢口高雄『9で割れ!!』—昭和銀行員の奮闘記+矢口版『まんが道』と一粒で二度おいしい一作 | マンバ通信

    『9で割れ!!』 有名漫画家の過去をたぐると——やはり、まずアシスタント出身者が多い! 大学漫研出身者も多い! そして、なんと、われらの「世紀のハンサムボーイ」矢口高雄は? 銀行員出身である!!(GYAAAN) ……と、いきなり『プロレススーパースター列伝』(梶原一騎+原田久仁信)のセリフ改変で話を始めましたが、昨年に亡くなられた釣り漫画の巨匠・矢口高雄は、高校を卒業した昭和33年(1958年)4月から10年以上羽後銀行(秋田あけぼの銀行と合併して現在は北都銀行)で銀行員をした後に、30歳という当時としてはかなり遅咲きのデビューをして漫画家になったという、けっこう異色の経歴の持ち主として知られています。ちなみに、「世紀のハンサムボーイ」というのは、賢明なる『釣りキチ三平』の読者ならおわかりでしょうが、作中に作者人が登場して解説をするシーンでそう自称するのがお約束だったことによります。 『

    矢口高雄『9で割れ!!』—昭和銀行員の奮闘記+矢口版『まんが道』と一粒で二度おいしい一作 | マンバ通信
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    bokmal 2021/12/17
  • 『動物のお医者さん』以前。初期から変わらない不思議けだるい佐々木倫子ワールド『林檎でダイエット』 | マンバ通信

    『林檎でダイエット』 子供のころから漫画漬けで今に至る私ですが、姉と妹がいたことが少女漫画に抵抗なく育った大きな要因だったと思います。 大きな目の中に星空が描かれ、舞台は主に外国で女の子の夢にあふれた作品が多い時代から触れてきました。 昭和30年代から40年代前半の雑誌には、赤塚不二夫さんや横山光輝さんなどの男性作家も多く描かれてます。 やがて24年組と呼ばれる漫画家さんたちが次々と名作を発表し、少女漫画という世界が確立されていきます。 ずっと少年漫画を読む傍らでその発展を見てきましたよ。 とはいえ主に妹が貸屋さんから借りてくるのを読むだけで、大きく入れ込んだわけではありません。 竹宮恵子さんの『風と木の詩』は新連載から雑誌で読んでましたが、寄宿舎での少年愛の世界を理解するのは難しかったですね。 『ガラスの仮面』も新連載から読んでました。こちらは中学生男子にも入りやすい世界でなかなかに熱

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    bokmal 2021/02/15
    「世の中には言っていいことと」「言うと面白いことがある」
  • 独特な細い線の絵柄が怖さを増す。恐怖漫画の傑作「わたしの人形は良い人形」山岸凉子 | マンバ通信

    『わたしの人形は良い人形』 数年前、人形を恐怖の道具として使わないで欲しいという意見がある団体から出ているというニュースを見ました。 真っ先にこの作品が頭に浮かび、まさか封印されるなんて事は無いよなと懸念したのをはっきり憶えてます。 怖い系の漫画も映像作品も苦手な私ですが、個人的に恐怖漫画の最高傑作だと思っております。 これまでにとにかく怖いから読め、と色んな人に勧めてきました。 度重なる蔵書整理で何度か手元からは消えてますが、昨年末に入手。 またじっくり読み返してこの記事を書く次第です。 私の中の殿堂入り作品。あえて探して入手せずとも、必ずこのは私の手元に戻ってきます。 初めて読んだのは20代後半です。30年以上前になりますが帰省して実家に帰った際に妹が購入しておりました。 なんか凄い物を読んでしまったと少し呆然としたのを憶えてます。 「汐の声」や「ゆうれい談」も読んで、山岸凉子さんて

    独特な細い線の絵柄が怖さを増す。恐怖漫画の傑作「わたしの人形は良い人形」山岸凉子 | マンバ通信
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    bokmal 2021/02/05
    紙のやけ方がもうこわい。
  • 声に出して読みたい日本語—滝沢解+川崎三枝子『極悪美女軍団卍』&沢田一矢+好奇真『おんな警察』 | マンバ通信

    『極悪美女軍団卍』 前回(「デレ」だからできるコミカライズ—廾之『アイドルマスターシンデレラガールズ U149』&半二合『アイドルマスターシンデレラガールズ After20』)『U149』と『After20』という女性グループもの2作品を紹介しましたので、今回も女軍団もの2作品を紹介します。 まずご紹介するのは『極悪美女軍団卍』(滝沢解+川崎三枝子)。タイトルになっている「卍」というのは、「忌子」と呼ばれる美女をリーダーとし、下水道を根城にしてワイルド&フリーダムな生活を行う美女軍団です。具体的に言うと、桜色に勃起した天使の乳首と殺しに濡れる悪魔の隠毛、大都会の毛穴から滲み出る美しい殺意を持つ世紀末の女獣です。いや作中でそう書いてるんですよ! 『極悪美女軍団卍』78ページより 何者だ……… 桜色に勃起した天使の乳首 殺しに濡れる悪魔の隠毛 大都会の毛穴から滲み出る美しい殺意! 見よ 今めざ

    声に出して読みたい日本語—滝沢解+川崎三枝子『極悪美女軍団卍』&沢田一矢+好奇真『おんな警察』 | マンバ通信
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    bokmal 2021/01/01
    “昔の漫画を読んでいると、ときどきこのように、表現の進化の袋小路というか、現代の漫画に特に受け継がれなかった「何か」に出会えて新鮮な驚きを得られることがあります”
  • 壊れやすい卵のための21世紀マンガレビュー 村上かつら『淀川ベルトコンベア・ガール』 | マンバ通信

    1 はじめに 2009年2月、村上春樹はエルサレム賞の受賞挨拶で「もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に立ちます」*1と宣言しました。「壁」と「卵」のメタファーに関して、彼はつぎのように説明しています。 こう考えてみてください。我々はみんな多かれ少なかれ、それぞれにひとつの卵なのだと。かけがえのないひとつの魂と、それをくるむ脆い殻を持った卵なのだと。(略)そして我々はみんな多かれ少なかれ、それぞれにとっての硬い大きな壁に直面しているのです。その壁は名前を持っています。それは「システム」と呼ばれています。*2 このように述べたうえで、彼は自分が小説を書く理由は「個人の魂の尊厳を浮かび上がらせ、そこに光を当てるため」であり、「我々の魂がシステムに絡め取られ、貶められることのないように、常にそこに光を当て、警鐘を鳴らす」ことこそが物語の役目だと聴

    壊れやすい卵のための21世紀マンガレビュー 村上かつら『淀川ベルトコンベア・ガール』 | マンバ通信
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    bokmal 2020/11/11
    “2003年には16歳の少女が高校にも行かず町工場に住み込みで働くという設定が不憫すぎるとの(…)2010年には中卒の少女を正社員として雇用し社員寮の個室を与える会社の設定が好待遇すぎるとの理由で議論が交わされた
  • 「その問題 バイブドアのヤリエモンさまも挑戦するぞ!」―玄太郎『男!日本海』のくだらな素晴らしさ | マンバ通信

    「男!日海〜謎街道をゆく〜」第8話より 突然ですが、もしあなたが今、「どうしようもないほどにしょうもなくて下らないものを読んでアハハと笑いたい」という気持ちで、そして「下ネタがどうしてもダメ」という人なのでなければ、玄太郎先生の『新 男!日海』を読みましょう。読むべきです。 「いきなり『新』とかついてるのを読めと言われても……」と思われるかもしれませんが、作を読むに当たっては、以下の三点さえ分かっていれば問題ないです。 ・作は、ある出来事で地元にいられなくなった高校生・魁日海(さきがけ・にほんかい)が、全国を旅して回る1話完結のコメディです。 ・彼の陰茎は、八寸(約24センチ)の長さがあって胴につかんばかりに反り返ることから「八寸胴返し」の異名をとっている名刀です。 ・作品に登場する人間は、男も女もほぼ全員セックスが好き。とにかくセックスが大好き。名前からして星井音子(ほしいお

    「その問題 バイブドアのヤリエモンさまも挑戦するぞ!」―玄太郎『男!日本海』のくだらな素晴らしさ | マンバ通信
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    bokmal 2020/06/19
  • 男子中学生は何を欲望するか? 許斐剛『レンタルボディーガード COOL』 | マンバ通信

    許斐剛の描くかっこよさは、いつも微妙にズレている。その微妙なズレが、読者をますます夢中にさせる。「微妙なズレ」というのがポイントで、自覚的にズレたものを描くならば、ギャグ作家になるわけである。 許斐剛は「自分がかっこいいと思うもの」を読者にむかって投げる。それは受け手の出したミットの位置から少しズレている。受け手のミットの位置を予測して、ズレたところに放り投げるのがギャグ作家だとすれば、許斐剛は、全力で投げたボールがミットから少しズレているのである。 許斐剛の代表作といえば『テニスの王子様』だが、今回は『レンタルボディーガード COOL』という作品によって、許斐剛的かっこよさとは何かを考えてみたい。『COOL』は1997年に週刊少年ジャンプで連載された作品だが、短期間で打ち切りにあってしまう。そして1999年、次作である『テニスの王子様』が始まる。 その意味で、『COOL』は「ジャンプ打ち

    男子中学生は何を欲望するか? 許斐剛『レンタルボディーガード COOL』 | マンバ通信
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    bokmal 2018/07/17
    “どんどん設定を見ていこう”
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