「中国漁船が衝突してきたのは明らかだった」――。1日午前、沖縄県・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件の記録ビデオを視聴した国会議員たちは、こう口をそろえた。国民への公開を求める声もあるが、中国との関係はぎくしゃくしたまま。政府は公開する姿勢を見せていない。 海保が撮影したビデオを見た議員たちの証言で中身を再現した――。 9月7日午前10時15分ごろ、尖閣諸島・久場島の北北西約12キロの東シナ海。ビデオは洋上に停船していた中国漁船「ビン(門がまえに虫)晋漁5179」(166トン)が、クレーンで網を巻き上げる場面から始まる。 巻き上げを終えた漁船は、エンジンを吹かすと巡視船「よなくに」(1349トン)の左後方部にむかって動き出す。 両船の距離は「約50メートル」。 漁船は途中でエンジンをさらに一段あげ、「ピューッと突っ込んできた」。 漁船の船首がほぼ直角に、「よなくに」の左舷後方に衝突