印刷 メール 「舟」を編む 果てはない 平木靖成さん 三浦しをんさん 辞典には無尽蔵ともいえるほどの言葉が載っている。こんな分厚い本を、どうやって作ったんだろう。三浦(みうら)しをん(35)の小説「舟を編む」は素朴な疑問から生まれた。 物語は、何年もかけて辞典を編纂(へんさん)する編集者らの情熱を描く。書店員が選ぶ今年の本屋大賞を受賞した。何より辞典作りの舞台裏が興味深い。 三浦は最初、主人公の編集者、馬締光也(まじめ・みつや)に「言葉と一徹に向き合う堅い人」というイメージを膨らませていた。それを覆したのが、広辞苑を編む岩波書店辞典編集部の平木靖成(ひらき・やすなり)(43)だった。 取材で「ご趣味はありますか」と尋ねた。「駅のホームにあふれた人がエスカレーターに整列して吸い込まれていくのを見るのが好きです」。おかしくて、主人公の趣味にそのまま採用した。 辞書は断定調の物言いばかりかと思う
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