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ブックマーク / tosh.hatenadiary.jp (15)

  • 「いい本屋」とはどんな本屋か。 〜「品揃え」の三つの側面 - 仕事と晩飯とその他

    以下、個人の意見と感想、というか、日々ツラツラと考えていることを忘れないようメモ。 「いい屋」というのがどういうお店かという意見は多様にあるとは思うが、自分は、「(一部であっても)お客さんが面白そうと思えるが手に取って確認できる」、「そのうえで、その品揃えの中で数を売れるものを充分に確保できる」書店に可能性を感じる。そういうお店に入ると単純に「あ、いいな」と思う。 商売として「いい店」に立地と広さや在庫数は不可欠で、それはよくわかる。けれど、「こんな店が近くにあったら通うかも」みたいなことを感じるのに立地や広さ、在庫の数などはあまり関係ないのではないだろうか。経験の範囲ではあるが、自分にとって便利でない立地のお店であっても規模の小さなお店でも、「ここはいいなあ」と思うことはままある。 商売としての「いい店」を考えた時には、結局のところ客商売なので、「来店客を増やす」ことが重要な課題にな

    「いい本屋」とはどんな本屋か。 〜「品揃え」の三つの側面 - 仕事と晩飯とその他
  • 売れるのが面白くなければしょうがない - 仕事と晩飯とその他

    昔から思っているが、「売れるを売る」の、いったいどこが間違ってるのか、さっぱり分からない。売れないものより売れるものをもっと売ったほうが商売も繁盛だし、そもそもバンバン売れたほうが面白いじゃんか。 「売れるを売るのと売れないを売るのでは難しさが違うから後者のほうが面白い」ってことなら売れないを頑張って売ればいいじゃないか。屋の店員の何が特権だってそれができるってことじゃないですか。 出版社の営業は、出たものを粛々と、関係各所から「お前らのせいで売れないんだ」みたいなこと言われてむかっ腹立てようがなんだろうが、最終的に廃棄を作らず一冊でも多く売るのが仕事なわけですよ。売るものは選べないし選ばない。 言い方はあれだが、店頭にズラッと並んだ諸々のと比べると売れてないを売らなきゃいけない時もある。そういう時ばかりかも知れないが、そういう時ばかりであっても売らねばならん。それは意外と面

    売れるのが面白くなければしょうがない - 仕事と晩飯とその他
  • 具体的にって言われると、こんな話。 - 仕事と晩飯とその他

    FBF関連の話、外からは見えないですねえ。迷走感もあります。「何かしなきゃ」は分かるんだけど、ちょっとずつ違う気がする。 じゃあ、具体的に何をどうするのかと言われると、自分なら(無理があっても)こんなことを提案したい(残念ながらそういう立場にはないので特に提案もできないわけですが)。 1.アマゾン含むネット系プリペイドカードの店舗での販売(あちこちから怒られそうだけど)。 アマゾンだけでなくネット系のプリペイドカードについてコンビニに全部市場を持っていかれたのはけっこう痛い。要は「店で絶対に使われることのない図書カードの販売」みたいなものだから、最初のうち抵抗があったとしてもそのうち慣れると思う。プレゼント包装(も面倒だから嫌がるお店あるのは分かるけど)などの需要も生まれるかも。ゲーム関係のプリペイドカードで子供も取り戻せる(かも)。取次はそれこそ陳列用の什器とか、そういうので店舗を支援し

    具体的にって言われると、こんな話。 - 仕事と晩飯とその他
  • 「(出荷した商品が店頭で)実際に買われる率」 - 仕事と晩飯とその他

    出版産業従事者なら皆知ってるK書店のPで表示される「消化率」が気になっている。「入荷に対しての実売の率」という、しごくシンプルな指標。 自分の中での前触れは、先日、目黒のA社の説明会資料での「表示回数×購買率×単価」という指標。これもえらくシンプル。A社は購買率を上げるための施策としての「在庫表示の改善」を薦めているわけだが、これ見て俺はその場では単価についてのことばかり考えてしまった。 で、その資料を出版社の現状に単純に当てはめると、「出荷数(店頭での露出)×(出荷した商品が店頭で)実際に買われる率×単価」となる。 多くの出版社は出荷数というか店頭での露出を高めるという点を重視している。店頭にモノがあるということの宣伝効果を考えてもその戦略は基的に間違っていないとは思う。で、単価についてももちろん常に考えているし、出荷数(店頭での露出)が極端に少ない出版社の場合はここを高めに設定するこ

    「(出荷した商品が店頭で)実際に買われる率」 - 仕事と晩飯とその他
  • 意外なところから話を聞く - 仕事と晩飯とその他

    FBFの「客注専門取次」の件で、意外なところから具体的な展開について。 書店からの注文について情報とモノの流れは以下のようになっている(伝票という形でモノに付随する情報の流れは省略)。 ●通常の流れの大枠 情報:書店→取次→出版社→倉庫 モノ:倉庫→取次→書店 ○出版社への電話注文など 情報:書店→出版社→倉庫 モノ:倉庫→取次→書店 ○倉庫が短冊を回収している場合など 情報:書店→取次→倉庫→出版社→倉庫 モノ:倉庫→取次→書店 ○計画搬入(シフト)など 情報:書店→取次→出版社→倉庫 モノ:倉庫→取次→書店 ○直受注(商品付き) 情報:書店→出版社(→取次)→倉庫 モノ:倉庫→取次→書店 ○直受注(新方式) ※取次に在庫があった場合 情報:書店→出版社→取次 モノ:取次→書店 ○直受注(新方式) ※取次に在庫がなかった場合 情報:書店→出版社→取次→出版社→倉庫 モノ:倉庫→取次→書店

    意外なところから話を聞く - 仕事と晩飯とその他
  • 事前の告知は重要だけど - 仕事と晩飯とその他

    事前の告知はますます重要になってきている。 自分は古いタイプの営業なので先達には「雑誌は出るまで、書籍は出てからが勝負だ」と教わった。これは「雑誌は出てから何かしても遅いよ」ということでもある。実際、雑誌はそうだった。 書籍は出てからできることが沢山ある。というより、演歌歌手のように「売れるようになるまで頑張る」みたいなこともやろうと思えば可能だ。そして、現実的に考えると、(どうせどれも大差ない)と思われている実用的なジャンルの場合は、「(どうせどれも大差ないのだから)店頭にあるものの中から選ぼう」というお客さんの行動は少なくない。いや、極端なことを言うとお店の方も「どれ置いても一緒だから熱心に営業来てるところのを置いとこう(そうしないとうるさいし)」みたいなことはあったりなかったりみたいな話にしてみたりしなかったり。 要は、読者がどうこうとか内容がどうこうとかとまったく別にどういう手段で

    事前の告知は重要だけど - 仕事と晩飯とその他
  • まだまだまだ考えているつもりだったが一度に吹っ飛んだ感じ - 仕事と晩飯とその他

    まだまだまだ考えているつもりだったが一度に吹っ飛んだ感じ。 リセット、リセット。 考えるためのポイントのひとつは、沢山読むことは必要条件なのか十分条件なのかということ。沢山読むことは確かに重要だが、沢山読んでもいい棚を作れない人もいるというところがポイントか。は不思議なもので、沢山読まなければ見えてこないことがあるのは当たり前のこととして、なぜかたくさん呼んでも見えてこないヒトもいる。中身の話だけではなく、売り物としてのについてもほとんど同じ話がある。カンがいいとか悪いとかそういうことだけでもないようだ。読み過ぎてなんというか身動きの取れないニッチな方向性に向かってしまうヒトも少なくない。 もうひとつは、ひとりでやってもひとりではないということ。もう、何をやってもひとりってことはない。いや、もっと言うなら、同時代を生きている誰かがどうこうだけの話ではなく、過去からの蓄積としての云々です

    まだまだまだ考えているつもりだったが一度に吹っ飛んだ感じ - 仕事と晩飯とその他
  • まだまだ考えている。 - 仕事と晩飯とその他

    あんまり脈絡無く話したので最初の質問がなんだったか実はよく覚えていないのですが、の中でもあの場の話でも棚や店作りの「職人(もしくは棚や店作りにやむにやまれぬ情熱を傾けられる個人)」と「ビジネス」との微妙な距離感というか、予測はされたかもしれないが結果的に意図せず発生してしまったズレの問題を感じました。 職人が力を発揮できる「場としての書店」、それはカッコ付きの「屋」と同様に単に物理的な場のみを意味しているわけではなく、もちろん、やってくるお客さんや地域とのつながりだけでもなく、ともに働く人々や店舗が店舗として成立するための豊かな諸々を背景に抱えているものであろうと思います。 会社という単位で場を変えた時に以前とまったく同じというわけにはいかないのは当然の話ですが、それにしても石橋さんが語ろうとしたカッコ付きの「屋」というのはあまりに「場としての書店」と密接に結びついているのではないか

    まだまだ考えている。 - 仕事と晩飯とその他
  • 本屋が支えているもの(末端なんで偉そうなことは言えませんが) - 仕事と晩飯とその他

    『「屋」は死なない』、オレは読まないほうがいいような気もしてきてるんだけどどうしようかなあ。 上記のの中で石橋さんが「自己啓発のは合法的な詐欺みたいなもんだ」とかなんとか書いてるそうだ。 ん確かに石橋さんの頃の新文化はそういうのとはちがう「良心的」だったり「熱い思い」だったり「マイナーへのこだわり」であったりをよく取り上げていた気がする。 オレ自身が直接言われて「へえ、そういう視点もあるんだ」と思ったのは「版元ドットコムのアクセスランキングでは50番・100番といったキリ番のを扱っているのがいい。マイナーなが取り上げられるチャンスが最初から考えられているのがいい」とか何とかそんな話。 版元ドットコムのアクセスランキングそのものが世間的にはどマイナーなので、その中で少しでも多くのを、どういう理由でもなんとかかんとかひねくりだして紹介しようというつもりだったのだが、さらにマイナーへ

    本屋が支えているもの(末端なんで偉そうなことは言えませんが) - 仕事と晩飯とその他
  • 売れるもんだけ扱えたら嬉しいだろうなあ - 仕事と晩飯とその他

    はてなブックマークで「売れるもん作れってだけで売る気ないんだろうが、この腐れ営業が(意訳・もしくはオレの被害妄想?)」みたいなニュアンスで突っ込まれていたが、売れるもんだけ扱えたら楽だろうなあ。 もうさ、POSデータ取れるようになってから書店も営業も編集も「結果」は見えてるわけよ。その結果を真摯に見てるヒトなら「売れないのは営業が悪い」みたいなことは言えなくなると思うんだよね。 全体が縮小気味だってことを前提にすると営業も編集も利益を出しているかどうかが問題なわけでその中でトータルの売上、単一商品の売上、単一店舗の売上、といったわかりやすい部分しか見ないのはもったいないなあ。全体の中で細く長い売上を維持しているものこそ利益に貢献しているわけだけど、そういうのは分かりにくいからね。ま、利益を出すのは営業とかその他に任せて「いいもの作るぞ!」って編集が結局一番かな。 で、はてなで書店さんが「オ

    売れるもんだけ扱えたら嬉しいだろうなあ - 仕事と晩飯とその他
  • 出版社の客は書店じゃねえ(と、あえて強く言ってみる) - 仕事と晩飯とその他

    うーん、某所で「最後はヒトのつながりですかね」とか言ってるな、オレ。矛盾してる? ヒトのつながりを否定しているわけじゃないんだよね。でも、それだけだとマズいんじゃねえのってことなんだよね。 それはさておき。 昨日も「POS見てどうこうなんて意味ない現物見て営業と話して出版社とつながってなんぼ」みたいな話が出た。お年寄りの意見だよねってことじゃない。この話の中には非常に重要な真実が含まれているからこそ、多分、年齢関係なく真面目に考えれば考えるほどわからなくなる。データ見てるだけで売上は伸びないし現物見せたほうが効果的なものは少なくないし話せば分かることは沢山あるし緊密に連携が取れる状態であれば出来ることは飛躍的に増える。その通りだと思う。 思うが、「当にそれだけでいいのか」っていうのが昨日のオレの疑問。 そして、それに関して言うと、「昔は取次の店売で現物見て仕入れができた」、「営業も来てく

    出版社の客は書店じゃねえ(と、あえて強く言ってみる) - 仕事と晩飯とその他
  • 書店と取次と出版社のつながりがどうこう言ってる場合じゃないんじゃないだろうか - 仕事と晩飯とその他

    朝から色々メールが……。平積みの確認ですか……。再販問題と出版社の値引きについて手短にまとめるんですか……。 いちおうほぼ書いたところで会議。 無難と言えばあまりに無難なタイトルだが、ひねってどうなるということではある。 メールの続きとそれによって発生した諸々の処理など。 広報宣伝関係もいくつか。 急いで書店会館へ。途中でサンドイッチひとつ。 書店と出版社の接点を、というのはよくわかる。昔と比べるとそこが大幅に減ってしまったということもよくわかる。店売で現物見て仕入れられた時代というのもよくわかる。 基的に異論は無い。けれど、もう昔には戻れない。 モノがないから仕入れられない。出版社の営業が来ないから仕入れられない。FAXや電話では仕入れられないが営業に説明されたら仕入れられる。配は無いから大きな店に見に行く。けれどそれも偏っている。 そのあたりもわかる。わかる気がするし、なんとかしな

    書店と取次と出版社のつながりがどうこう言ってる場合じゃないんじゃないだろうか - 仕事と晩飯とその他
  • 書籍と雑誌の発売日 その3 - 仕事と晩飯とその他

    前々回は一般的な雑誌(月刊誌を中心に)の発売日について、前回は一般的な書籍(文庫・新書ではない単行及び「協定品」ではない)の発売日について書いた。雑誌の発売日は決められており(取次搬入日の中1営業日後)、スケジュールは発売日から逆算して決まっていく。それに対して書籍の発売日は決まっていない(そもそも流通の過程で出版社と取次の間で発売日(書店発売日)が話題になることもない)。 今回は、なぜ書籍の発売日は決まっていないのか、もしくは、なぜ書籍の発売日は決められないと出版社は言うのか、について書くつもりだったが、よくよく考えてみると結論はひとつなのでその話を書く。 その前にまず、書籍をめぐるいくつかの日付についてもう一度確認しておきたい。 ひとつは「取次搬入日」、表にはあまり出てこないが、出版社の営業、特に取次の物流を担当としてる人間には書籍の発売に関連して一番身近な日付だ。取次搬入日を発売

    書籍と雑誌の発売日 その3 - 仕事と晩飯とその他
  • 書籍と雑誌の発売日 その2 - 仕事と晩飯とその他

    前回は雑誌の発売日について書いた。ポイントは、「雑誌の発売日は決められている」、「発売日に合わせて取次搬入日などの予定が全て決められている」、「取次搬入日の中1営業日後が雑誌の発売日」ということ。あくまで、取次を経由して書店で発売している雑誌、つまり雑誌コードを与えられている雑誌の話。 今回は書籍の発売日について。もうちょっと正確に言うと取次を経由して書店で発売されるISBNコードの付いている書籍の取次搬入日と発売日について。 雑誌を出している出版社より書籍しか出していない出版社のほうが数は多い(正確な数は把握していないが)。雑誌を出している出版社が比較的頭数がいるのに対して書籍オンリーの出版社だとひとりというところも少なくない。そして、出版社の大小問わず取次を経由して書店で販売される「書籍」の進行はほぼ同じだ(超大手はちょっと違うみたいな話を聞いたことがあるが、違いは多分窓口に直接行かな

    書籍と雑誌の発売日 その2 - 仕事と晩飯とその他
  • 書籍と雑誌の発売日 - 仕事と晩飯とその他

    書籍の発売日は『ハリー・ポッター』のように決まっているものもあればそうでないものもある。それに比べて雑誌は発売日が決まっている(一部地域では遅れる)。早売りはしないというルールも、いちおう、きちんと守られている。 なんで雑誌は発売日が決まっているのに書籍は決まっているのと決まっていないのとがあるのか? 出版業界で働いていないヒトには疑問だろう。いや、出版社で働いていても雑誌と書籍の両方の進行を知らないとわけが分からないかもしれない(書店と取次は分かっていると思いたいが……)。 ということで数回に分けて雑誌と書籍その他の発売日についてつらつらと書くことにした。と言っても雑誌については十数年前の記憶なので細かい点は曖昧なこともあったりなかったり(と、あらかじめ言い訳しておく)。 まずは雑誌(月刊誌・隔月刊誌・増刷・不定期刊(ムック))の発売日から。 雑誌の発売日は取次搬入の中1営業日後と決めら

    書籍と雑誌の発売日 - 仕事と晩飯とその他
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