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ブックマーク / www.webdoku.jp (253)

  • 【書評】『返品のない月曜日』井狩春男 - 横丁カフェ|WEB本の雑誌

    絶版もしくは品切れ重版未定状態のために、注文したいがそれが叶わない。 屋に勤めていると、お客様の問合せ時、ブックフェアの選書や欠調査等、品揃えに関わる書店独特の作業中、毎度毎度そのことで頭を悩ませる。 「何でこんな良いを品切れにしてしまうのか」に携る仕事を持つ友人たちとの会話で毎度必ず誰かが言うセリフだ。 これまでに何度か大手書店での独自の復刊文庫フェアという取り組みを見ており、それを羨ましく思いながらも「東京堂書店でもそれが出来ないか」と色々と模索してきた。 実行に移すべく、まずは会社の了承を取ることから始まり「東京堂書店オリジナル復刊は文庫にする」という考えのもと、出版社数社に復刊するにあたっての諸々の条件を教えていただきつつ議論を重ねた末、遂に復刊タイトルが決定した。 発売当時(1985年にちくま・ぶっくすとして刊行した後1989年ちくま文庫)に携る人必携の書で書店員のバ

    【書評】『返品のない月曜日』井狩春男 - 横丁カフェ|WEB本の雑誌
    bookseller56
    bookseller56 2018/04/05
    「こんな名著が東京堂書店オリジナル復刊文庫として販売出来るのを心から幸せに思う」
  • 2017年のオリジナル文庫大賞は『夏の祈りは』と『義経号、北溟を疾る』のダブル受賞だ! - 突発企画 - WEB本の雑誌

    『夏の祈りは (新潮文庫)』 須賀 しのぶ 新潮社 562円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub LawsonHMV honto 『義経号、北溟を疾る (徳間文庫)』 辻 真先 徳間書店 864円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub LawsonHMV honto 『異境の水都: 突変世界 (徳間文庫)』 森岡 浩之 徳間書店 972円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub LawsonHMV honto 『嘘つき女さくらちゃんの告白 (集英社文庫)』 青木 祐子 集英社 691円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub LawsonHMV honto 『最良の嘘の最後のひと言 (創元推理文庫)』 河野 裕 東京創元社 734円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub LawsonHMV h

    2017年のオリジナル文庫大賞は『夏の祈りは』と『義経号、北溟を疾る』のダブル受賞だ! - 突発企画 - WEB本の雑誌
  • 作家の読書道 第188回:益田ミリさん|作家の読書道|WEB本の雑誌

    作家自身は、どんな「屋のお客」なんだろう?そしてどんな「の読者」なんだろう? そんな疑問を、作家の方々に直撃インタビューです。 作家の読書道 第188回:益田ミリさん 日々のささやかな感情を丁寧に、そして鋭く掬いとる作風が魅力のイラストレーターの益田ミリさん。彼女の心を動かすのはどんなたちなのか? 意外な変遷があって今の職業に就くまで、その時々で背中を押してくれたたちについても教えてもらいました。 ――いつもみなさんに、いちばん古い読書の記憶からおうかがいしているのですが。 益田:昨日ちょっと調べてみたんですけれど、小さい頃、小学館の「ミニレディー百科」というシリーズがあったんですよ。これなんですけれど...(と、書影の写真を取り出す)。 ――ありがとうございます。少女漫画の表紙で、「エチケット入門」や「たのしいクッキング」や「すてきなおかし」などがありますね。ああ、なんか記憶にあ

    作家の読書道 第188回:益田ミリさん|作家の読書道|WEB本の雑誌
  • 【書評】『つぼみ』宮下奈都 - 横丁カフェ|WEB本の雑誌

  • 【今週はこれを読め! SF編】ルールを目的とするルール無視、ポスト・トゥルースのゲーム - 牧眞司|WEB本の雑誌

    ゲームの王国 上』 小川 哲 早川書房 1,800円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『ゲームの王国 下』 小川 哲,mieze 早川書房 1,890円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 第三回ハヤカワSFコンテストに投じた『ユートロニカのこちら側』で大賞を射止めた小川哲の、これがデビュー二作目にあたる。それにしても、とてつもない膂力の新鋭があらわれたものだ。小説を手がける以前に脚家としてじゅうぶんな実績があった月村了衛は別格としても、宮内悠介や藤井太洋を筆頭に2010年代デビュー組は、のっけからベテラン作家なみの内容・構成・表現を見せつけており、小川哲もそれにつづく才能だが、年齢はひときわ若い。デビュー時にはまだ二十代、書執筆途中に三十歳を迎えたばかりだ。なのに、この熟

    【今週はこれを読め! SF編】ルールを目的とするルール無視、ポスト・トゥルースのゲーム - 牧眞司|WEB本の雑誌
    bookseller56
    bookseller56 2017/09/19
    小川哲『ゲームの王国』上・下(早川書房)
  • 7月10日(月)本の雑誌を届ける日 - 帰ってきた炎の営業日誌|WEB本の雑誌

    『茄子の輝き』 滝口 悠生 新潮社 1,728円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub LawsonHMV honto 『の雑誌410号2017年8月号』 の雑誌社 840円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub LawsonHMV honto 肌をジリジリ焦がす暴力的な日差し。目眩をもよおす猛烈な暑さ。そんな中でも私の仕事は外に出なければならない。営業。それは人と会って話をし、売上や企画を生み出す仕事。 まずは先週MacBookの修理を依頼していた銀座のアップルストアへ。なんと今月4度目の訪問。そのうち2度は娘がiPhoneを壊し、全取っ替えになったため。今回のMacBookはその心臓部であるロジックボードを交換し奇跡の復活を果たした。もうアップルストアは怖くない。 一旦会社に戻って、すぐに東京堂書店へ。今月19日に開催する荻原魚雷さんと岡崎武

    7月10日(月)本の雑誌を届ける日 - 帰ってきた炎の営業日誌|WEB本の雑誌
    bookseller56
    bookseller56 2017/07/11
    「一人称で本を売る......それは裏返してみれば、お客さんが値段も中身も同じ本を、どこで、誰から、買うか選択する時代になってきたということだろう」
  • 【今週はこれを読め! SF編】探偵は棚にいる。扉の鍵は本に隠されている。 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    『書架の探偵 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)』 ジーン ウルフ,青井 秋,酒井 昭伸 早川書房 2,420円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto SF界きっての技巧派として知られるジーン・ウルフが2015年に発表した最新長篇。『書架の探偵』という邦題から、ジョン・ダニングや紀田順一郎のビブリオミステリに登場するような古書通の探偵、あるいは古今東西あらゆる書物に暁通したボルヘスのような存在を思いうかべる。いや、ウルフはこれまで書物や語ることを主題とする作品をいくつも書いているので、探偵といっても実体はなく、テキストが自律的に謎解きをするような超虚構小説かもしれない。 しかし、ウルフはそんな読者の予断をあっさりすり抜けてしまう。『書架の探偵』とは、図書館棚に暮らしている生身の探偵なのだ。「そんなバカげた設定ありか?」と思うが、ありなの

    【今週はこれを読め! SF編】探偵は棚にいる。扉の鍵は本に隠されている。 - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 【書評】『ひとさらい 笹井宏之第一歌集』笹井宏之 - 横丁カフェ|WEB本の雑誌

    『ひとさらい 笹井宏之第一歌集』 笹井 宏之 書肆侃侃房 1,296円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『てんとろり 笹井宏之第二歌集』 笹井 宏之 書肆侃侃房 1,404円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 九州の出版社・書肆侃侃房のTさんが営業に来られたのは、私が文芸書担当に着任してすぐの2015年の10月だったと記憶している。2年前のその日は、書肆侃侃房さんのメインコンテンツである短歌ののご紹介をTさんより戴いた。Tさんは「詩歌はなかなか難しいとおっしゃる書店員の方もいらっしゃいますが......」といういらぬ前置きをしてしまうような、とても謙虚で、お優しい方である。ご紹介を戴いたのは、歌人・笹井宏之さんの『ひとさらい』『てんとろり』という既刊の短歌集であった。 しかし

    【書評】『ひとさらい 笹井宏之第一歌集』笹井宏之 - 横丁カフェ|WEB本の雑誌
    bookseller56
    bookseller56 2017/05/11
    きっと多くの棚担当者にとって身に覚えのある意気と葛藤。
  • 【今週はこれを読め! SF編】未知との遭遇、10のスタイル - 牧眞司|WEB本の雑誌

    『誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選 (ハヤカワ文庫 JA ノ 4-101)』 野﨑まど,大森望 早川書房 880円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 副題が示すとおりのテーマ・アンソロジーだ。「ファーストコンタクト」とは、地球外生命体との接近遭遇である。ファースト、すなわち最初の接触なので、お互いのことがわからず、手探りになるし誤解や疑心暗鬼を生じる。その過程で、人類の文化や知性が相対化される。 『誤解するカド』とは変わったタイトルだが、これは4月から放映がはじまったアニメ『正解するカド』に合わせての企画だからだ。といっても、ファーストコンタクト・テーマというだけのつながりで、アニメのエピソードもしくはスピンオフ作品が収録されているというようなことはない。 収録作品はすべて既発表・既訳で、全10篇。ちょっと感心したのは、日

    【今週はこれを読め! SF編】未知との遭遇、10のスタイル - 牧眞司|WEB本の雑誌
    bookseller56
    bookseller56 2017/04/25
    『誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選』(ハヤカワ文庫)
  • 【書評】『尾道坂道書店事件簿』児玉憲宗 - 横丁カフェ|WEB本の雑誌

    「今年の屋大賞、行けなくなった。すまんけど一人で行ってくれる?」 こんな電話があったのは、2016年3月のある日のことだった。 そしてこれが、私が児玉さんの声を直接聞いた、最後の機会となる。 『尾道坂道書店事件簿』に詳しく書かれているが、児玉さんは1999年、当時の福山の新店だった「啓文社ポートプラザ店」の店長時代に、病に倒れた。 数年後、復帰した時は、車椅子姿だった。 下半身不随というのは大きなハンディキャップである。しかし、児玉さんはそれを一切匂わせず、弱音を吐くことはなかった。まるで健常者と同じように、いや、それ以上に精力的に、書店員の仕事をしている人だった。 屋大賞へは第2回目から、二人で毎年参加した。明治記念館はステージが高いところにあるので、記念撮影の際、みんなで車椅子を抱え上げるのも恒例行事となっていた。秋の「鮎川哲也賞」にも、できる限り二人で参加するようになった。折角の

    【書評】『尾道坂道書店事件簿』児玉憲宗 - 横丁カフェ|WEB本の雑誌
    bookseller56
    bookseller56 2017/04/20
    「児玉さんは今でも、全国の書店員の、そして私の背中を、そっと押してくださるのだ」(啓文社・三島さん)
  • 【書評】『「Guitar magazine」2017年4月号』ギター・マガジン編集部 - 横丁カフェ|WEB本の雑誌

    Guitar magazine (ギター・マガジン) 2017年 4月号 (CD付) [雑誌]』 リットーミュージック 商品を購入する Amazon HMV&BOOKS 今回はイレギュラーではあるが雑誌の紹介になる。の紹介ではないがお許しください。 特集があまりにも素晴らしく、またこの特集だけでも1冊のが出来てしまう位に内容が充実しているためである。「恋する歌謡曲」と題した何と104ページの総力特集である。 歌謡曲の全盛期は70年代~80年代半ばまでで、当時は「夜のヒットスタジオ」、「ザ・ベストテン」といった音楽番組が存在し社会的にも大きな影響を与えていた。そのため音楽に興味のない一般の人でも、当時のヒット曲を知らない人はいなかったくらいである。 これこそが歌謡曲の凄いところである。 そのヒット曲の大きな魅力のひとつがイントロである。当時の基は長くて8小節。その短い区画で編曲者達が

    【書評】『「Guitar magazine」2017年4月号』ギター・マガジン編集部 - 横丁カフェ|WEB本の雑誌
    bookseller56
    bookseller56 2017/04/07
    「今回はイレギュラーではあるが雑誌の紹介」「この特集だけでも1冊の本が出来てしまう位に内容が充実しているため」 特集は「恋する歌謡曲。」
  • 【今週はこれを読め! SF編】天使が見える神経学者、偏執狂の諜報プロ、神聖なるドラッグの探索 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    『迷宮の天使〈上〉 (創元SF文庫)』 ダリル・グレゴリイ,小野田 和子 東京創元社 2,866円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『迷宮の天使〈下〉 (創元SF文庫)』 ダリル・グレゴリイ,橋 輝幸,小野田 和子 東京創元社 2,866円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 子どものころは素朴に、科学思考が信仰や神秘体験を駆逐すると思っていた。合理と実証をつきつめれば神や霊は否定しうる、と。もちろん、実際はそんな単純ではない。科学思考と信仰はじゅうぶんに両立する。 『迷宮の天使』が面白いのは、信仰を心の問題ではなく、大脳の状態として扱っている点だ。主人公のライダ・ローズはかつては気鋭の神経科学者だったが、薬物「神聖(ヌミナス)」を過剰摂取して以来、天使ドクター・グロリアが見え

    【今週はこれを読め! SF編】天使が見える神経学者、偏執狂の諜報プロ、神聖なるドラッグの探索 - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 【今週はこれを読め! SF編】都市伝説と認知科学的が交叉する、異色の青春冒険小説 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)』 宮澤 伊織,shirakaba 早川書房 858円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto いっぷう変わった非日常サバイバル小説。個々の要素だけを取りだせば、先行作品はいくらでもあるが、その組み合わせかたがユニークだ。 主人公はふたりの女子大生、紙越空魚(かみこしそらを)と仁科鳥子(にしなとりこ)。彼女たちは〈裏側〉の世界で出会った。 空魚は閉塞した日常に息苦しさを感じており、ひとりで心霊スポットを探索していたが、その過程で偶然に〈裏側〉へ入る方法を発見した。いっぽう、鳥子は行方不明になった友人、冴月(さつき)を探すため、これまで幾度となく〈裏側〉を訪れていた。彼女はもともと冴月の導きによって〈裏側〉を知ったのだ。 〈裏側〉は人知が及ばぬ存在が何種類も徘徊する危険いっぱい

    【今週はこれを読め! SF編】都市伝説と認知科学的が交叉する、異色の青春冒険小説 - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 1月12日(木)書評家4人の2016年解説文庫リスト - 目黒考ニの何もない日々|WEB本の雑誌

  • 【今週はこれを読め! SF編】よるべのない世界、見知らぬ言葉、自分だけの記憶 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    『ウインドアイ (新潮クレスト・ブックス)』 エヴンソン,ブライアン,Evenson,Brian,元幸, 柴田 新潮社 2,200円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto エヴンソンは現代アメリカ文学の作家だが、SFやホラーのファンからも注目されている。先に邦訳された短篇集『遁走状態』(2009年)はローカス賞とシャーリイ・ジャクスン賞のリストにあがった。『ウインドアイ』(2012年)もジャクスン賞の候補となった。 ジャンル小説の読者にとってエヴンソンが取っつきやすいのは、シチュエーションがくっきりと現実離れしている点だろう。 たとえば、書に収められた「スレイデン・スーツ」では、暴風雨にとらわれて進路を見失い料も尽きた船から、旧式の潜水具スレイデン・スーツによって脱出しようとする。といっても、海にもぐるわけではない。乗組員のひとりステ

    【今週はこれを読め! SF編】よるべのない世界、見知らぬ言葉、自分だけの記憶 - 牧眞司|WEB本の雑誌
    bookseller56
    bookseller56 2016/12/28
    ブライアン・エヴンソン/柴田元幸 訳『ウインドアイ』(新潮社)
  • まみへの手紙、春の本屋で - イベント&フェア情報|WEB本の雑誌

    bookseller56
    bookseller56 2016/12/26
    「じっくり準備をして春先にやろう。そのときには、雨宮さんの本が並んだその隣に小さなノートを置こう、と。」ブックスルーエで、2017年2月1日から3月31日まで。
  • 【今週はこれを読め! SF編】不思議な語り口、気味の悪い発想、この世のものとも思えない物語 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    『爆発の三つの欠片(かけら) (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)』 チャイナ ミエヴィル,引地 渉,日暮 雅通,嶋田 洋一,市田 泉 早川書房 2,750円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto ちかごろのチャイナ・ミエヴィルは『言語都市』や『都市と都市』などSFでの活躍が目立つが、もともとはダーク・ファンタジー『キング・ラット』で名をあげ「ニュー・ウィアード」と称する文芸潮流の旗頭となった書き手だ。"ウィアード(wierd)"は辞書によれば「不思議な」「気味の悪い」「この世のものとも思えない」などの意味を持つ。ぼくの年代のSFファンがこの単語から思いうかぶのは、まずラヴクラフトやC・A・スミスなどが活躍した往年の怪奇小説誌〈ウィアード・テールズ〉だろうが、ミエヴィルがめざしているのは直線的な恐怖や装飾的な怪異ではなく、内容的にも語りのスタ

    【今週はこれを読め! SF編】不思議な語り口、気味の悪い発想、この世のものとも思えない物語 - 牧眞司|WEB本の雑誌
    bookseller56
    bookseller56 2016/12/20
    チャイナ・ミエヴィル/日暮雅通,嶋田洋一,市田泉 訳『爆発の三つの欠片』(早川書房)
  • 【今週はこれを読め! エンタメ編】戦争の中で生きる人々を描く 須賀しのぶ『また、桜の国で』 - 松井ゆかり|WEB本の雑誌

  • 【今週はこれを読め! SF編】現実と情報を可逆化する海、人知を越えて流動する書字空間 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    十年ぶりの作品集。飛浩隆はまちがいなく現代SFのトップランナーのひとりだが、いちじるしく寡作だ。考えてみるとこれは凄いことで、ポツポツと発表するだけでその存在を読者の印象に刻みこんでしまう。一篇ごとのインパクトが非常に強いのだ。右に並ぶのはテッド・チャンくらいか。 七篇を収録。最初の一篇「海の指」がもう圧倒的だ。 はじまりのシーンは卓袱台での朝。日常的情景というよりも、むしろ様式化された(テレビドラマのような)日常だが、そこから視点がうしろへ引かれるにつれて、その日常を包みこむ世界の異様があきらかになる。家を出て路地を進むと、下り坂の先にイスラム風の大門が居座っている。海に面したこの町の斜面に広がっているのは、立体的な蜂の巣状になった建築様式のパッチワークだ。ティカルの碑文神殿、グッケンハイム美術館、ケレタロのサンタ・クララ聖堂、デヴァター像を擁するバンテアイ・スレイ......。原型を

    【今週はこれを読め! SF編】現実と情報を可逆化する海、人知を越えて流動する書字空間 - 牧眞司|WEB本の雑誌
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    bookseller56 2016/12/13
    飛浩隆『自生の夢』(河出書房新社)
  • 【今週はこれを読め! SF編】SF作家のイマジネーションとAI研究の最新知見が出会う - 牧眞司|WEB本の雑誌

    人工知能学会はこれまでも学会誌に日SF作家クラブ会員のショートショートを掲載するなどSFへの理解・関心を示してきたが、書はさらに一歩踏みこんだ画期的な企画だ。AIをテーマとした書き下ろし小説と、それに呼応した内容のAI研究者のコラムが併載されている。俎上にあがっているのは「倫理」「社会」「政治」「信仰」「芸術」という5つの側面だ。 このうち、ぼくがもっとも身近に思えるのは「芸術」である。AI自体が創造性を持ちうるかどうかはまだわからないが、ITを創作活動に利用することはとうにおこなわれているし、技術的に考えればそこから芸術の自動生成まではほんの数ステップである。AIが内的な状態として創造性を備えているか否かにかかわらず、AIが出力した「作品」に接した鑑賞者が「創造性」を感じとってしまうのはじゅうぶんにあり得る。チューリングテストと同様だ。 書に収められた倉田タカシ「再突入」は、そんな

    【今週はこれを読め! SF編】SF作家のイマジネーションとAI研究の最新知見が出会う - 牧眞司|WEB本の雑誌
    bookseller56
    bookseller56 2016/12/07
    人工知能学会 編『AIと人類は共存できるか? 人工知能SFアンソロジー』(早川書房)