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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (389)

  • 4回目のコロナワクチン接種、どうすべき? 専門家に聞いた

    2022年4月5日火曜日、クリニックで新型コロナワクチンのブースター接種を受ける研修医。(PHOTOGRAPH BY HANNAH BEIER, BLOOMBERG/GETTY IMAGES) 免疫を回避する新たなオミクロン株のBA.4とBA.5系統が支配的になる中、新型コロナウイルス感染症は、今も米国各地で多くの人々を苦しめている。年齢が高い人ほど、現行のワクチンによる予防効果が下がることを懸念する専門家らは、ブースター接種を受けるよう推奨している。 現行ワクチンのブースター接種の効果はすでに証明されている。2021年の冬に米国で流行した従来のオミクロン株BA.1系統による重症化例は、ブースター接種のおかげで大きく減った。6月28日に行われた米品医薬品局(FDA)の独立委員会で共有されたデータは、ブースター接種が今でも、以前と同程度とまではいかずとも、BA.4とBA.5系統による重症化

    4回目のコロナワクチン接種、どうすべき? 専門家に聞いた
  • 偽の薬だと知りながら服用しても効果があるのはなぜか

    この2つのカプセルのうち、一つは有効な薬で、もう一つはプラセボ(偽薬)だ。(PHOTOGRAPH BY SPENCER WEINER/LOS ANGELES TIMES VIA GETTY IMAGES) 臨床試験で渡されるプラセボ(偽薬)には、薬としての有効成分が何も含まれていないはずなのに、それを服用した被験者に症状の改善が見られることがある。これは、「プラセボ効果」と呼ばれる現象だ。プラセボ効果を得るには、それがプラセボであることを被験者に知らせないことが重要であると考えられてきた。 ところがここ数十年の間に、最初から被験者にプラセボであることを知らせるオープンラベル(非盲検試験)の有効性を検証する研究が複数実施され、多くの場合症状が緩和したという結果が出ている。 米マサチューセッツ州に住むベティ・ダーキンさん(73歳)は、自宅で転倒して首の骨を折り、頚椎を損傷し、ひどい痛みに悩まさ

    偽の薬だと知りながら服用しても効果があるのはなぜか
  • 9000年前に女性ハンター、「男は狩り、女は採集」覆す発見

    9000年前の南米アンデス山脈における狩りの様子を描いた想像画。この時代の墓を分析したところ埋葬されたハンターが女性だったことは考古学者たちを驚かせた。(MATTHEW VERDOLIVO, UC DAVIS IET ACADEMIC TECHNOLOGY SERVICES) 2018年のある日。米カリフォルニア大学デービス校の考古学者ランダル・ハース氏の研究チームは、ペルーのアンデス山脈で発掘された約9000年前の墓の周りに集まった。墓の中には成人のものと思われる骨とともに、多種多様で見事な狩猟用の石器があった。大きな獲物を倒し、その皮をはぐ作業までの道具がそろっていた。 「彼はきっと優れたハンターで、集団の中でとても重要な人物だったにちがいない」。当時、ハース氏とチームのメンバーたちはそう考えていた。 だが、その後の分析によって意外な事実が明らかになった。石器のそばで見つかった人骨は、

    9000年前に女性ハンター、「男は狩り、女は採集」覆す発見
  • なんとガチョウが国境警備、中国がコロナ対策で

    英国リーズのゴールデンエーカーパーク自然保護区で撮影されたシナガチョウ。中国原産のサカツラガンを家畜化した種だ。(PHOTOGRAPH BY KRYSTYNA SZULECKA / FLPA / MINDEN PICTURES) 中国とベトナムとの国境で、約500羽のガチョウが「警備」に当たっている。中国へ不法入国しようとする者があれば、激しく鳴いたり、かみ付いたりするのだ。 2021年10月以降、中国政府は、不法入国による新型コロナウイルスの侵入を阻止するため、「ガチョウ部隊」を広西チワン族自治区崇左市に配備している。体重2キロ超のシナガチョウには特別な訓練が必要ない。いったん縄張りを確立すると、彼らはそれを激しく守るからだ。 この部隊を補強するのが約400頭の番犬たちだ。番犬たちは(人間の)国境警備隊のパトロールに同行し、鳥たちの警備を見守る。この異種混合チームは、中国国内から新型コロ

    なんとガチョウが国境警備、中国がコロナ対策で
  • めまい、混乱、言葉が出ない…コロナは軽症でも認知力低下の恐れ

    脳の謎 誰も知らない隠された能力 謎の多い人間の脳について、最近の科学的進歩を解説した書。人間の脳に関する「100の謎」を、学習、知能、意識、情動、加齢の5つのテーマに分類して、豊富な写真・イラストとわかりやすい文章で説明しています。 定価:1,540円(税込) amazon 楽天ブックス

    めまい、混乱、言葉が出ない…コロナは軽症でも認知力低下の恐れ
  • 生命の定義をも揺るがす代謝の「ありえない反応」、起源解明に光

    大西洋のロストシティー熱水噴出域にある高さ約30メートルのチムニー。海底の熱水噴出孔では、地球上に生命が出現する鍵となった可能性のある単純な有機分子が急速に生成している。(PHOTOGRAPH BY D. KELLEY & M. ELEND, UNIV. WASHINGTON INST. FOR EXPLORATION/URI-IAO/NOAA/THE LOST CITY SCIENCE TEAM) マルクス・ラルザー氏は、生命の起源を研究するつもりではなかった。氏は主に、細胞が養分を取り込むプロセスや、このプロセスがストレスや病気によってうまく働かなくなる仕組みを研究していた。しかし10年ほど前、英ケンブリッジ大学に在籍していた氏のチームは、まったくの偶然から衝撃的な発見をする。 ラルザー氏らは当時、「解糖系」を研究していた。解糖系とは、細胞が利用できる形やエネルギー源になるように、体内

    生命の定義をも揺るがす代謝の「ありえない反応」、起源解明に光
  • 小惑星衝突「恐竜絶滅の日」に新事実、1600km先のガスが155℃に

    6600万年前に地球に衝突した小惑星は、地球の生命の運命を永久に変えてしまった。最新の研究で、この時に形成された「火山豆石」を分析した結果、衝突地点から放出された塵とガスがどれくらいの温度に達していたかが明らかになった。(ILLUSTRATION BY DETLEV VAN RAVENSWAAY, SCIENCE SOURCE) およそ6600万年前、直径10キロメートルほどの小惑星がメキシコのユカタン半島沖に衝突し、地球の生命の運命を一瞬にして変えてしまった。衝撃により、直径約180キロもの「チクシュルーブ・クレーター」が誕生し、森林火災と津波が起き、その被害は数千キロ先にまで及んだ。地球の気候は振り子のように激しく変動し、気温が急激に落ち込んだかと思うと、長い温暖期が訪れ、非鳥類型恐竜を含む生物種の75%が絶滅した。(参考記事:「小惑星衝突「恐竜絶滅の日」に何が起きたのか」) そして今

    小惑星衝突「恐竜絶滅の日」に新事実、1600km先のガスが155℃に
  • 打つ手なしの脳や心臓の病気も治る?「ミトコンドリア移殖」とは

    2018年5月25日、ボストン小児病院で手術中の患者にミトコンドリア移植を行うジェシー・エッシュ医師(右)。(PHOTOGRAPH BY KATHERINE TAYLOR, THE NEW YORK TIMES VIA REDUX) 今日、ダンス教室で踊る6歳のエイブリーちゃんを見た人は、少女がかつて心臓の問題で死にかけていたとは思いもよらないだろう。彼女は生後すぐに1回目の開胸手術を受けたが、その際、心臓の大部分に損傷を負ってしまった。エイブリーちゃんは2カ月入院した後に退院したが、数週間後、再び入院した。心臓から送り出される血液の量は半分まで低下しており、再手術が必要だった。 医師たちはエイブリーちゃんを体外式膜型人工肺ECMO(エクモ)につないで心臓移植の準備を始めたが、管を洗浄するために少しだけECMOを外したときに、彼女の心臓が予想よりわずかに良く機能していることに気づいた。そこ

    打つ手なしの脳や心臓の病気も治る?「ミトコンドリア移殖」とは
  • シカからヒトに新型コロナが感染、初の報告、カナダのオジロジカ

    オジロジカは新型コロナウイルスの保有宿主になっている。研究者たちは、カナダのオジロジカからヒトへの感染が起こった可能性があると考えている。(PHOTOGRAPH BY JIM BRANDENBURG, MINDEN PICTURES) 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)がカナダのオジロジカ(Odocoileus virginianus)からヒトに感染した可能性が高いことが、新たな研究によって明らかになった。北米に広く生息するオジロジカから新型コロナウイルスがスピルオーバー(異種間伝播)した例としては初の報告となる。 新型コロナウイルスが米国のオジロジカの間で広がっていることは先行研究によってわかっていた。しかし、オジロジカが保有するウイルスは近くに居住している人がもっていたウイルスと非常によく似ていたため、単にヒトからシカに感染したと考えられていた。(参考記事:「野生のシカの4割に

    シカからヒトに新型コロナが感染、初の報告、カナダのオジロジカ
  • 化石を食べる生物が深海で見つかる、北極海の海綿、前代未聞

    すでに死んでいるか死にかけているカイメンが白い細菌に覆われ、そこにヒトデが群がっている。北極海の海山で多数のカイメンが発見され、科学者たちを驚かせた。(PHOTOGRAPH COURTESY OF ALFRED WEGENER INSTITUTE / PS101 OFOBS TEAM) 氷に覆われた北極海の真ん中の海底で、べ物を見つけるのは難しい。場所によっては水深4000メートルを超える海底のサンプルを採取すると、肉眼で確認できる生物がほとんど、あるいは全くいない泥ばかりだ。 ところが、2011年、そんなサンプルに珍しいものが含まれていた。最初にそれを見た学生は「シロクマ!」と声を上げた。 白い毛皮に見えたものの正体はカイメン(海綿)の一部で、衝撃的だったとドイツ、アルフレッド・ウェゲナー研究所の海洋生物学者アンティエ・ボエティウス氏は振り返る。「このエリアにいるカイメンの数は、おそら

    化石を食べる生物が深海で見つかる、北極海の海綿、前代未聞
  • 新型コロナの臓器損傷、世界最高輝度のX線が明らかに

    欧州シンクロトロン放射光研究所(ESRF)の科学者ポール・タフォロー氏が参加する国際プロジェクト「ヒト臓器アトラス」は、階層的位相コントラスト断層撮影法(HiP-CT)を使って新型コロナウイルスによる死者の脳などの臓器をスキャンした。HiP-CTスキャンは、臓器の全体像からズームインして、関心のある領域の細胞まで見せてくれる。(PHOTOGRAPH BY LUCA LOCATELLI) 階層的位相コントラスト断層撮影法(HiP-CT)という強力なX線スキャン技術によって、人体の最も微細な毛細血管や、個別の細胞のレベルまで拡大した画像が撮影できるようになった。この新技術は、30人以上の科学者による国際チームが生み出した。 HiP-CTはすでに、新型コロナウイルスが血管や肺にどのような損傷を与えるかについて、新たな見方を提供している。研究者たちは、この撮影法に大きな可能性を見出しており、病気や

    新型コロナの臓器損傷、世界最高輝度のX線が明らかに
  • 第2回 あの「エルフ語」はなぜ、どのようにつくられたのか

    信州大学人文学部の伊藤盡教授(英米言語文化)は、広義には「英語の先生」で、英語史、中世英語、北欧語文献学などを専門にしている。もっと詳しく書くと、『指輪物語』のエルフ語の研究者(あるいは、映画『ロード・オブ・ザ・リング』のエルフ語の吹き替え監修者)で、市民向けに「エルフ語講座」を開いてくれたり、「エッダ」として伝えられる北欧神話、バイキングの活動を含む北欧の人々の伝承が今に伝わる「サガ」、北欧の古い文字であるルーン文字で書かれた石碑などにとても詳しい不思議な広がりを持った研究をしている先生だ。 前回、伊藤さんが、幼い頃から「ここではないどこか」に惹かれ、その場所がなぜか北欧であるとまだ幼い頃に直観した話を聞いた。また、意味が分からないただ呪文のような言葉の連なりに惹かれるものがあり、言語と神話をまるまる創造したJ・R・R・トールキンの研究へと進んだ。その言語は「エルフ語」として知られ、神話

    第2回 あの「エルフ語」はなぜ、どのようにつくられたのか
  • なぜ新年は暗くてますます寒くなる冬に始まるのか、暦の歴史 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    収穫と密接に結び付いていた初期のローマ暦では、紀元前7世紀まで、冬の2カ月間には名前すらなかった。現在の1月1日が新年の始まりとして定着したのはずっと後のことだ。写真はフランス、ブールジュのサン・テティエンヌ大聖堂にある13世紀のステンドグラス。当時としては典型的な1月の描写で、事が題材になっている。(PHOTOGRAPH VIA BRIDGEMAN IMAGES) 新しい年の始まりは、なぜさまざまな生きものが躍動し始める春ではなく冬なのか。そう思ったことはないだろうか。それもそのはず、今の暦の原型が生まれたとき、新しい年の始まりは現在の1月ではなく春だった。それどころか、冬の2カ月間には名前すらなかったのだ。 現在の暦の元をつくったのは古代ローマ人だ。その「1月(January)」は、時間、移り変わり、始まりの神である「ヤヌス(Janus)」にちなんで名付けられた。この記事では、天文学

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  • Netflix「タイガーキング」の園オーナー、動物展示が生涯禁止に

    2016年、米オクラホマ州ウィンウッドの自宅で、フェイスという名前のライライガーと座るジェフ・ロウ氏とローレン・ロウ氏夫。ライライガーとは、オスのライオンとメスのライガー(オスのライオンとメスのトラの子)の子のこと。米司法省は、ロウ夫が動物の健康を「深刻なリスク」にさらすことで連邦法に違反したと申し立てた。同省は2021年、夫は所有するエキゾチックアニマル146匹をすべて押収され、動物の展示を生涯禁じられた。(PHOTOGRAPH BY RUARIDH CONNELLAN/BARCROFTIMAGES / BARCROFT MEDIA VIA GETTY IMAGES) 2020年12月生まれのミラージュとシーザーは、米オクラホマ州の私設ふれあい動物園「グレーターウィンウッド・エキゾチックアニマルパーク」で生まれた多数のトラの最後の2頭であり、同園における繁殖および虐待とされる扱いの

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  • 100人が怪死、18世紀フランスを恐怖に陥れた謎の「獣」

    18世紀の版画。1765年、王室の猟師フランソワ・アントワーヌが、人々を襲った「獣」と思われるオオカミを殺しているところ。2カ月後、獣は再び襲撃を開始し、フランスを恐怖に陥れた。(AKG/ALBUM) 1764年のある日、フランス中南部ジェヴォーダン地方の森で、少女の遺体が発見された。被害者は14歳の羊飼いジャンヌ・ブーレで、オオカミに襲われたと思われる深い傷跡が残されていた。 当時、こうした死は珍しいものではなかった。子どもが一人で羊や牛の世話をすることは多く、オオカミの危険は付き物だった。 ところがその後、ブーレのような遺体が次々に見つかる。大きな傷を負っていたり、手足がバラバラになっていたり、さらには首を切断されたりと、襲った動物が何であれ、それは通常のオオカミよりもはるかに凶暴だった。オオカミ男の仕業だとの噂がささやかれる中、犯人は「獣(la bête)」と呼ばれるようになった。

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  • 謎だった家畜ウマの起源、ついに特定

    内モンゴル自治区西ウジムチン旗にある繁殖センターの文化紹介イベントで疾走する馬の群れ (PHOTOGRAPH BY PENG YUAN/XINHUA VIA GETTY) 数千年前から、ウマは世界中の社会で重要な役割を果たしてきた。古代から耕作に力を貸し、人々を短い時間で遠くへと運び、戦場では兵士に闘いにおける優位性をもたらした。こうしたことを分かっていても、では家畜ウマはどこから来たのかというシンプルな疑問には、専門家はずっと頭を悩ませてきた。 最近、2つの大陸の100人以上の専門家の尽力で、その謎がようやく解けたようだ。家畜ウマのルーツは「ロシア南部」にあるという答えにたどりついたのだ。 アナトリア半島(小アジア)、イベリア半島、ユーラシア大陸のステップ地帯西部という3つの地域のいずれかが家畜ウマのルーツとして有望視され論議されてきたが、今回の発見で、その起源は、ユーラシアステップ地帯

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  • コロナで糖尿病を発症、米で年10万人、膵臓に深刻な被害の恐れも

    2021年5月29日、ポルトガルのリスボンにあるスクリーニング検査所で、糖尿病の可能性を調べるために血糖値を測定する医学生。(PHOTOGRAPH BY HORACIO VILLALOBOS, CORBIS VIA GETTY IMAGES) 米スタンフォード大学の微生物学者であるピーター・ジャクソン教授のところには、新型コロナウイルス感染症から回復した後、別の問題に悩み始めた人たちから毎日のようにメールが寄せられている。 つい先日来たメールでは、2人の子どもを持つ30代の母親が、今では日々、糖尿病の薬を何種類も服用していると訴えていた。新型コロナウイルスに感染する前には、糖尿病のリスクはなかったにもかかわらずだ。 パンデミック(世界的大流行)の当初から、糖尿病(インスリンの分泌や作用が十分でないために、血糖値の上昇を適切に抑えられなくなる病気)は新型コロナが重症化するリスク要因であること

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  • コロナワクチンの混合接種は安全? 効果は? 今わかっていること

    2021年8月19日、エクアドルのグアヤキルで、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製ワクチンの接種を行う医療スタッフ。エクアドルでは、10月中旬時点で国民の約56%が必要な回数の接種を完了した。現在、政府は2回目接種の拡大に取り組んでいる。(PHOTOGRAPH BY MARIANA MILLER, AGENCIA PRESS SOUTH, GETTY IMAGES) 新型コロナウイルスの予防接種を受ける場合、異なるメーカーのワクチンを続けて接種してもいいのだろうか? この「混合接種」の問題に、医療関係者たちは新型コロナワクチンの接種が開始される前から関心を寄せてきた。これは学問上の論点にとどまらない。混合接種が可能であれば、ワクチンの供給が格段に向上し、医療上もある程度のメリットが得られるかもしれないからだ。 米国立衛生研究所(NIH)は、追加接種(ブースター接種)におけ

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  • 単細胞性の酵母が試験管で「巨大な多細胞体」に進化、驚きの実験

    細胞が40万個以上に増殖した酵母のクラスター。圧力を加えると、写真のように枝分かれした小さな細胞の塊になった。(PHOTOGRAPH BY OZAN BOZDAG) 生命はいかにして、単細胞から始まり、今のようなかくも美しく複雑な生物へと進化したのだろうか。そもそも細胞は、どのようにして集まり、互いに協力することを学び、数億から数兆個もの細胞から成る有機体を形成するようになったのだろうか。(参考記事:「5.7億年前、生物たちはなぜ複雑になったのか」) その答えはまだ見つかっていないが、米ジョージア工科大学による最新の実験結果が、大きな手掛かりを与えてくれるかもしれない。同大学の研究チームは、試験管の中で来は単細胞性の酵母が肉眼で見えるほど巨大なクラスター(集合体)にまで進化する様子を観察し、複雑な多細胞構造の起源を探る研究への道筋をつけた。 実験で得られた酵母のクラスターは大きさが直径2

    単細胞性の酵母が試験管で「巨大な多細胞体」に進化、驚きの実験
  • 世界最古の貨幣鋳造所が見つかる、2600年前、中国

    中国、河南省の官荘遺跡から出土した鋤(すき)型の青銅の硬貨「布銭(ふせん)」。中国最古の硬貨で、世界最古の硬貨の可能性もある。(PHOTOGRAPH BY HAO ZHAO) 中国東部の河南省にある官荘遺跡を発掘していた考古学者たちが、世界最古の貨幣鋳造所を発見した。約2600年前、農具である鋤(すき)の形を模した青銅の硬貨「布銭(ふせん)」を量産していたという。8月6日付で学術誌「Antiquity」に論文が発表された。 世界で最初に鋳造貨幣がつくられた場所は、現在のトルコとインドと中国の3カ所のいずれかと考えられている。しかし、はっきりと年代が確認された鋳造所は見つかっていなかった。「現時点で、官荘の鋳造所が、確実に年代を特定できるもっとも古い貨幣鋳造所です」と、中国、鄭州大学の考古学者で、論文の筆頭著者である趙昊(ジャオ・ハオ)氏は話す。 論文によると、城壁と堀を備えた城郭都市の官荘

    世界最古の貨幣鋳造所が見つかる、2600年前、中国