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ブックマーク / eulabourlaw.cocolog-nifty.com (13)

  • 賃金の本質は仕事ではなく身分への対価 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    型雇用の質は学歴の扱いによく露呈します。 『ジョブ型雇用社会とは何か』で取り上げた、高学歴を低学歴と詐称したら懲戒解雇だけれど、低学歴を高学歴と詐称しても雇止めにもならないというのは、その好例ですが、30年間何の疑問も持たれずに業務に従事してきた職員を、大卒じゃなくて高卒だったから差額を返せと言い出しているこの事例も、いかにもよく日型雇用社会における賃金というものの質を現わしているようです。 https://www.yomiuri.co.jp/national/20211024-OYT1T50053/ 公益社団法人・峡北広域シルバー人材センター(山梨県韮崎市中田町中条)で少なくとも約15年間で計約400万円の給与過払いがあったことがわかった。 センターによると、基準より多く給与を受けとっていたのは勤続30年の職員。高校卒業後、大学を中退していたが、大卒として給与算定されていたこと

    賃金の本質は仕事ではなく身分への対価 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
  • 森元首相発言の雇用システム論的理解 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    もう世間は「女性蔑視発言」で炎上しているわけですが、おそらく人の主観的意図はそのようなものではなく、組織における意思決定機関と公式的には位置づけられている「会議」なるものにおける女性陣の行動様式に接してのものすごく率直な感想を述べただけだったのであろうと思われます。 これはもう昔から言い古されていることではありますが、日的な組織においては、公式の組織規則でフォーマルな意思決定のためのものと位置づけらている「会議」っていうのは、実はそこで一から率直な意見の交換なんぞをする場所ではなく、実質的な意見のすり合わせというのはもっとインフォーマルな場で、多くの場合、5時以降の飲を伴う場において行われ、そこでおおむねの合意が成り立ったうえで、最終的な確認のために昼間にフォーマルな会議を開くというパターンが多い、あるいは少なくとも多かった、わけです。「平場(ひらば)」なんていう言葉も、この日的慣

    森元首相発言の雇用システム論的理解 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
  • ジョブ型社会ではブルシット・ジョブにもジョブ・ディスクリプションがある - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    こないだ死んだグレーバーの『ブルシット・ジョブ』はすごく話題になっているようですが、ブルシット・ジョブもジョブ型社会の「ジョブ」だってことは、どれくらいの日人が理解しているのか、という感想を持ちました。 いやもちろん、日社会にも、日の会社やいろんな組織にもいっぱいいろんなブルシットなあれこれがあることは、とりわけブルシットな事務作業のせいで研究時間が全然取れないと毎日つぶやいている大学の先生方をはじめとして、日々痛感している人が多いと思うし、それはそうなんですけど、でも日の組織の中のあれこれのブルシット現象は、ブルシット「ジョブ」じゃないんです。 アメリカに生まれてイギリスで暮らしていたグレーバーにとっては、ジョブ型社会はあまりにも当たり前なので、わざわざそこに疑問を呈したりしないけれども、ジョブってものがそもそも希薄ないし欠如している日社会の目から見ると、たぶんこういう記述は理

    ジョブ型社会ではブルシット・ジョブにもジョブ・ディスクリプションがある - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
  • 二極化の神話 またはおっさんずジョブの衰退とねえちゃんずジョブの興隆 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    ソーシャル・ヨーロッパにゲルマン・ベンダー氏が「The myth of job polarisation may fuel populism」(二極化の神話がポピュリズムを掻き立てる)という短い文を寄稿しているんですが、これが大変面白い。 https://www.socialeurope.eu/the-myth-of-job-polarisation-may-fuel-populism 21世紀になってから流行し、ほとんど常識化している労働市場の二極化、ってのは実は現実の姿では無くて神話に過ぎないという話と、それがアカデミズムだけじゃなくて一般社会に大きな影響を及ぼしたために、ポピュリズムがはやってしまった、という批判なんですが、まずその二極化が神話だという話。 何が「神話」だと言っているかというと、低技能労働者と高技能労働者が増えて中間層が減っていくという認識が間違っていると言うんです。

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  • 「日本はなぜここまで教育にカネを使わないのか」への答え - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    ニューズウィーク日版に、舞田敏彦さんによる「日はなぜここまで教育にカネを使わないのか」という文章が載っています。 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/09/post-8491.php ブログでも再三取り上げてきたOECDのデータ等を使って、「日はいかに教育にカネを使わないのか」を提示しているのですが、文章を最後まで読んでも、「日はなぜここまで教育にカネを使わないのか」という問いかけもなければ、「それは・・・・だからだ」という答えも書かれていません。 まあ、タイトルは編集部が勝手につけたのかも知れないので、舞田さんの責任とは言えないかも知れませんが、タイトルを見て答えが書かれていると思った人の欲求不満を、僭越ながら拙文を引用して少しでもなだめてみたいと思います。 昨年『POSSE』32号に載せた「日型雇用と日型大学の歪み

    「日本はなぜここまで教育にカネを使わないのか」への答え - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
  • 玄田有史編『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    そのものズバリ、聞きたいことをそのままタイトルにしたです。曰く:人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか? https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766424072/ “最大の謎”の解明に挑む! 働き手にとって最重要な関心事である所得アップが実現しないのは、なぜ? 22名の気鋭が、現代日の労働市場の構造を、驚きと納得の視点から明らかに。 ▼企業業績は回復し人手不足の状態なのに賃金が思ったほど上がらないのはなぜか? この問題に対して22名の気鋭の労働経済学者、エコノミストらが一堂に会し、多方面から議論する読み応え十分な経済学アンソロジー。 ▼各章は論点を「労働需給」「行動」「制度」「規制」「正規雇用」「能力開発」「年齢」の七つの切り口のどれか(複数もあり)を中心に展開。読者はこの章が何を中心に論議しているのかが一目瞭然に理解できる、わかりやすい構成とな

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  • なぜ極右政党は危機の時代にうまくやるのか? - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    欧州労連のシンクタンクである欧州労研(ETUI)が「Why far right parties do well at times of crisis: the role of labour market institutions」(なぜ極右政党は危機の時代にうまくやるのか?:労働市場機構の役割)というワーキングペーパーを公表しています。なかなか興味深い分析をしているので、ご紹介。 http://www.etui.org/Publications2/Working-Papers/Why-far-right-parties-do-well-at-times-of-crisis-the-role-of-labour-market-institutions http://www.etui.org/content/download/24349/201792/file/WP+2016.07+Far+r

    なぜ極右政党は危機の時代にうまくやるのか? - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
    border-dweller
    border-dweller 2016/09/20
    "むしろ解雇規制緩和や失業給付削減が直接に極右政党への支持を押し上げているという議論です。"
  • ベンチャー企業というのは夢を見て24時間働くというのが基本@三木谷浩史楽天会長 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    1月29日の産業競争力会議の議事録がアップされています。 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai20/gijiyoushi.pdf 分科会ではなく会議なので、いろんな人が広い分野にわたっていろんなことをいっているんですが、その中でちょっと聞き捨てならない発言があったようです。 (三木谷議員) 雇用に関してだが、ベンチャーは是非この対象から外してほしいと思う。私もそうなのだが、ベンチャー企業というのは夢を見て24時間働くというのが基だと思っているので、そういう会社に残業云々と言われても正直言って困る。我々も会社に泊まり込んで仕事をやっていた。ベンチャーはこの対象から外して、そのかわりがぽっと公開したらもうかるというものではないかなと思う。 いや、ベンチャー企業の経営者の方がベンチャー精神に満ちあふれて1日24時

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  • 政治的に正しいブラック企業の呼び方 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    ブラック企業という呼び方がポリティカリーコレクトか、という問題が勃発しているようなので、参考までにわたくしがnippon.comに書いた「ジョブ型正社員と日型雇用システム」の各国語翻訳版において、ブラック企業に関わるところがどう訳されていたかを改めてみてみましょう。 http://www.nippon.com/ja/currents/d00088/(「ジョブ型正社員」と日型雇用システム) メンバーシップ型は「ブラック企業」問題の根源 今日、社員への長時間労働強要などの点で大きな社会問題となりつつある、いわゆる「ブラック企業」問題についても、その根源にはこのメンバーシップ型モデルがある。来は長期的な雇用保障と引き替えの無限定的な働き方を、保障のないままで若者に押しつける企業とブラック企業を定義するならば、現実に正社員の枠組みが縮小する中でいつまでもメンバーシップ型を唯一絶対のモデル視す

    政治的に正しいブラック企業の呼び方 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
    border-dweller
    border-dweller 2014/09/01
    血汗企業辺りになるの?
  • 日経無脳記者の愚昧な記事 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    今朝の日経には、新聞記者というのはここまで無脳で愚昧になれるのかと思われるような記事が、ご丁寧に2人の署名入りで載っています。 http://www.nikkei.com/article/DGKDZO62681840W3A111C1EA1000/(厚労省、規制緩和の「約束」反故? 「有期雇用、全国で延長」に暗雲 労政審の壁高く) もちろん、あるトピックにどういう立場から記事を書こうが、それは新聞社や新聞記者の自由ですが、そのトピックの最大の問題点に全く思い至らぬまま、ネタ元の言葉の表面だけを鬼の首を取ったようにもてはやしているだけでは、1年生記者が警察ネタをそのまま垂れ流しているのを何にも変わらないというべきでしょう。 他の規制緩和案件では、それなりに中身を理解して、その上で記事を書いていると思われるのに、こと雇用労働問題になると、突如として予め決められたルールででもあるかのように無脳にな

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  • 最低賃金を上げよ@クルーグマン - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    の「りふれは」さんたちと違って、クルーグマンは一方でアベノミクスを(その限りで)支持しつつ、他方でちゃんとこういうコラムを書いています。 このへんが、なんと言われようが日で騒いでいる連中に対して「りふれは」というひらがな表記を捨てがたい理由なんですね。どうみても、クルーグマンと違う。 http://www.nytimes.com/2013/02/18/opinion/krugman-raise-that-wage.html?_r=0(Raise That Wage) One major proposal, however, wouldn’t involve budget outlays: the president’s call for a rise in the minimum wage from $7.25 an hour to $9, with subsequent incre

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  • 湯浅誠氏のとまどい - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    アジア太平洋資料センターの雑誌『オルタ』の9/10月号は、特集は「韓国併合100年」ですが、これではなく、湯浅誠氏の「反貧困日記」という新連載についてひと言だけ。 興味深いのは、湯浅氏が北欧は福祉国家だから人を働かせようなんてする国じゃないというイメージを持っていて、それが行ってみたらそうじゃなかったと、いささかとまどっているらしいところです。 >イギリスでもデンマークでも、訪問する先々で、私は「とにかく仕事」というメッセージを受け取り続けた。イギリスではすべての中高生の在籍データを行政機関が共有し、学校に来なくなった子どもなどの情報を地域の若者担当部局に提供、ソーシャルワーカーの家庭訪問やユースワーカーの人対応に結びつけていた。失業者は、日のハローワークに当たるジョブセンタープラスでの定期的面接を義務づけられており、若年者は一般失業者に比べてより厳しいプログラムへの参加を求められてい

    湯浅誠氏のとまどい - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
    border-dweller
    border-dweller 2010/09/18
    馴染めない もしくは馴染みたくない コミュニティにむりやり入れるのは、排除か同化政策だと思うんだけど 労働が正義と包摂って両立するの?
  • 日本海庄や過労死裁判の判決文 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    5月25日に京都地裁が下した日海庄や過労死裁判の判決文が、最高裁のHPにアップされています。 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100604194535.pdf >飲店従業員が急性左心機能不全により死亡した事案につき,会社に対し,安全配慮義務違反による損害賠償責任を認めるとともに,会社の取締役に対し,長時間労働を前提とした勤務体系や給与体系をとっており,労働者の生命・健康を損なわないような体制を構築していなかったとして会社法429条1項に基づく責任を認めた事例 判決については、既に判決当日に北岡大介さんが新聞報道に基づきコメントしておられますが、 http://kitasharo.blogspot.com/2010/05/blog-post_25.html >役員の損害賠償責任を認めた根拠条文が報道では明らかではありませんが、恐らくは役員等の第

    日本海庄や過労死裁判の判決文 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
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