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ブックマーク / www.riken.jp (17)

  • 全ゲノム解析で明らかになる日本人の遺伝的起源と特徴

    理化学研究所(理研)生命医科学研究センター ゲノム解析応用研究チームの寺尾 知可史 チームリーダー(静岡県立総合病院 臨床研究部 免疫研究部長、静岡県立大学 薬学部ゲノム病態解析講座 特任教授)、劉 暁渓 上級研究員(研究当時:ゲノム解析応用研究チーム 研究員; 静岡県立総合病院 臨床研究部 研究員)、東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター シークエンス技術開発分野の松田 浩一 特任教授らの共同研究グループは、大規模な日人の全ゲノムシークエンス(WGS)[1]情報を分析し、日人集団の遺伝的構造、ネアンデルタール人[2]およびデニソワ人[3]由来のDNAと病気の関連性、そしてゲノムの自然選択が影響を及ぼしている領域を複数発見しました。 研究成果は、日人集団の遺伝的特徴や起源の理解、さらには個別化医療[4]や創薬研究への貢献が期待されます。 今回、共同研究グループは、バイオバン

    全ゲノム解析で明らかになる日本人の遺伝的起源と特徴
  • 量子もつれの伝達速度限界を解明

    理化学研究所(理研)量子コンピュータ研究センター 量子複雑性解析理研白眉研究チームの桑原 知剛 理研白眉チームリーダー(開拓研究部 桑原量子複雑性解析理研白眉研究チーム 理研白眉研究チームリーダー)、ヴー・バンタン 特別研究員、京都大学 理学部の齊藤 圭司 教授の共同研究チームは、相互作用するボーズ粒子[1]系において量子もつれ[2]が伝達する速度の限界を理論的に解明しました。 研究成果は、多数のボーズ粒子が相互に作用することで生じる量子力学的な動きを理解する上で新しい洞察を提供すると同時に、量子コンピュータ[3]を含む情報処理技術における根的な制約を解明することにも寄与すると期待されます。 量子力学で現れる最も基的な粒子であるボーズ粒子が相互作用を通じてどのくらいの速さで量子的な情報を伝達できるのか、という問題は長年未解決でした。 共同研究チームはリーブ・ロビンソン限界[4]と呼

    量子もつれの伝達速度限界を解明
  • 無機物質と水だけからなる生き物のような材料

    理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター創発生体関連ソフトマター研究チームの佐野航季基礎科学特別研究員、石田康博チームリーダーらの共同研究グループは、無機ナノシート[1]と水のみを利用して、生き物のように力学物性を動的に変える「ハイドロゲル[2]」の開発に成功しました。 研究成果は、これまで高分子材料などの有機物質に頼ってきた刺激応答性ユニット[3]として、無機物質を利用するという新戦略を提示し、次世代スマートマテリアルの新たな設計指針になると期待できます。 サイエンスフィクション(SF)や神話には、無機生命体がしばしば登場します。しかし現実的には、硬くて刺激応答性に乏しい無機物質から、生き物のような動的機能を示す材料を作製するのは極めて困難でした。 今回、共同研究グループは、酸化チタンナノシート[1]と水のみからなるハイドロゲルが、温度や光などの刺激に応答して内部のネットワーク構造

    無機物質と水だけからなる生き物のような材料
  • 蒸発するブラックホールの内部を理論的に記述

    理化学研究所(理研)数理創造プログラムの横倉祐貴上級研究員らの共同研究チームは、量子力学[1]と一般相対性理論[2]を用いて、蒸発するブラックホールの内部を理論的に記述しました。 研究成果は、ブラックホールの正体に迫るものであり、遠い未来、情報[1]を蓄えるデバイスとしてブラックホールを活用する「ブラックホール工学」の基礎理論になると期待できます。 近年の観測により、ブラックホールの周辺のことについては徐々に分かってきましたが、その内部については、極めて強い重力によって信号が外にほとんど出てこられないため、何も分かっていません。また、ブラックホールは「ホーキング輻射[3]」によって蒸発することが理論的に示されており、内部にあった物質の持つ情報が蒸発後にどうなってしまうのかは、現代物理学における大きな未解決問題の一つです。 今回、共同研究チームは、ブラックホールの形成段階から蒸発の効果を直

    蒸発するブラックホールの内部を理論的に記述
  • 水に特有の物理的特性の起源を解明 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)放射光科学総合研究センター ビームライン開発チームの片山哲夫客員研究員(高輝度光科学研究センターXFEL利用研究推進室研究員)、ストックホルム大学のキョンホァン・キム研究員、アンダース・ニルソン教授らの国際共同研究グループは、X線自由電子レーザー(XFEL)[1]施設SACLA[2]を利用し、過冷却状態[3]にある水(H2O)の構造を捉えることに成功しました。 水は生命に不可欠な液体ですが、その挙動に関する理解は不完全です。例えば、温度を下げていくときの密度、熱容量[4]、等温圧縮率[5]といった熱力学的な特性の変化は、水と他の液体とでは逆の挙動を示します。そのため、水の熱力学的な特性については長年議論されており、いくつかの仮説が提唱されています。そのうちの一つが、水には密度の異なる二つの相があり、その間を揺らいでいるという仮説です。しかし、温度を0℃未満に下げた

  • 海馬から大脳皮質への記憶の転送の新しい仕組みの発見 | 理化学研究所

    海馬から大脳皮質への記憶の転送の新しい仕組みの発見 -記憶痕跡(エングラム)がサイレントからアクティブな状態またはその逆に移行することが重要- 要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター理研-MIT神経回路遺伝学研究センターの利根川進センター長と北村貴司研究員、小川幸恵研究員、ディラージ・ロイ大学院生らの研究チーム※は、日常の出来事の記憶(エピソード記憶)が、マウスの脳の中で時間経過とともに、どのようにして海馬から大脳新皮質へ転送され、固定化されるのかに関する神経回路メカニズムを発見しました。 海馬は、エピソード記憶の形成や想起に重要な脳領域です。先行研究により、覚えた記憶は、時間経過とともに、海馬から大脳皮質に徐々に転送され、最終的には大脳皮質に貯蔵されるのではないかとのアイデアがありますが、大脳皮質への記憶の転送に関して、神経回路メカニズムの詳細はほとんど分かっていませんでした。

  • ミミズの筋肉を搭載した小型ポンプを開発 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)生命システム研究センター集積バイオデバイス研究ユニットの田中陽ユニットリーダー、東京電機大学の釜道紀浩准教授らの共同研究チーム※は、ミミズの筋肉組織を利用した小型ポンプを開発しました。 クリーンテクノロジーの開発目標の一つに、外部からの電力供給に依存せず、材料自体も全て自然に還元される機械の構築が挙げられます。栄養や酸素という化学エネルギーのみで機能を発現でき材料は自然に還元されるという点で、生物を材料とする機械は一つの理想形といえます。一方、水などを送る機械であるポンプは、微量サンプルの分析や体内埋め込み装置の開発など最先端研究分野において、小型化が求められています注1)。しかし、従来の機械工学による小型化では、電源やワイヤーなどが不可欠なため限界があります。そこで共同研究グループは、生体筋肉組織を利用することにより、小型で効率のよいポンプが実現できるのではない

    border-dweller
    border-dweller 2016/10/18
    人工筋肉には使えるのかな
  • シビレエイ発電機 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)生命システム研究センター集積バイオデバイス研究ユニットの田中陽ユニットリーダーらの共同研究グループ※は、シビレエイ[1]の電気器官を利用した新原理の発電機を開発しました。 火力や原子力といった既存の発電方法に代わる、クリーンで安全な発電方法の開発が急がれています。そこで近年、生物機能に着目し、グルコース燃料電池[2]や微生物燃料電池[3]などのバイオ燃料電池が開発されていますが、従来の発電法に比べて出力性能が劣っています。 一方、シビレエイに代表される強電気魚は、体内の電気器官で変換効率が100%に近い効率的な発電を行っています。これは、ATP(アデノシン三リン酸)をイオン輸送エネルギーに変換する膜タンパク質が高度に配列・集積化された電気器官とその制御系である神経系を強電気魚が有しているためです。共同研究グループは、これを人工的に再現・制御できれば、画期的な発電方

    border-dweller
    border-dweller 2016/06/02
    ガリバーボーイだ
  • 電気で生きる微生物を初めて特定 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所環境資源科学研究センター生体機能触媒研究チームの中村龍平チームリーダー、石居拓己研修生(研究当時)、東京大学大学院工学系研究科の橋和仁教授らの共同研究チームは、電気エネルギーを直接利用して生きる微生物を初めて特定し、その代謝反応の検出に成功しました。 一部の生物は、生命の維持に必要な栄養分を自ら合成します。栄養分を作るにはエネルギーが必要です。例えば植物は、太陽光をエネルギーとして二酸化炭素からデンプンを合成します。一方、太陽光が届かない環境においては、化学合成生物と呼ばれる水素や硫黄などの化学物質のエネルギーを利用する生物が存在します。二酸化炭素から栄養分を作り出す生物は、これまで光合成か化学合成のどちらか用いていると考えられてきました。 共同研究チームは、2010年に太陽光が届かない深海熱水環境に電気を非常によく通す岩石が豊富に存在することを見出しました。そして、電

  • 内部の静電反発力のオンオフだけで動くヒドロゲル | 理化学研究所

    内部の静電反発力のオンオフだけで動くヒドロゲル -速く、大きく、一方向性の運動を繰り返す、夢の人工筋肉の実現へ- 要旨 理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター創発ソフトマター研究グループの相田卓三グループディレクター(東京大学大学院工学系研究科教授)、創発生体関連ソフトマター研究チームの石田康博チームリーダーと物質・材料研究機構(NIMS)国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の佐々木高義フェローらの共同研究グループ※は、互いに静電反発する無機ナノシート[1]を平行に配向させ、これらをヒドロゲル[2](三次元のナノ網目構造を水で膨潤させたゼリー状物質)の中に閉じ込めることにより、筋肉のように速く、大きく、方向性のある動きを繰り返すヒドロゲルの開発に成功しました。 ある種のヒドロゲルは、温度などの外部刺激に応答し、可逆的に収縮・膨潤することが知られています。このようなヒドロゲルは、生体に似

    border-dweller
    border-dweller 2015/08/19
    人工筋肉が目標みたいだけど これで変形機構とかも?
  • 非対称な光学迷彩装置を理論的に実証 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)理論科学研究推進グループ階層縦断型基礎物理学研究チームの瀧雅人研究員と東京工業大学量子ナノエレクトロニクス研究センターの雨宮智宏助教と荒井滋久教授らとの共同研究チームは、非対称な光学迷彩を設計する理論を構築しました。 光学迷彩は、光を自在に曲げる装置を設計、開発することで、物体や人を光学的に見えなくする技術です。これまで様々な理論的提唱や実験的な確認がなされてきました。しかし、光学迷彩装置は向かってくる光を迂回させることで、装置自体を見えなくしています。したがって、装置内に入射する光がなく、装置内からは外部を見ることができませんでした。このように、これまでの原理では外部からも内部からも見えないという“対称的”な振る舞いを示す光学迷彩装置しか作ることができませんでした。そこで共同研究チームは、光に仮想的にクーロン力[1]とローレンツ力[2]を働かせる光学迷彩装置を提

  • 人と柔らかく接しながら力仕事を行なう高機能ロボット | 理化学研究所

    人と柔らかく接しながら力仕事を行なう高機能ロボット -移乗、起立補助などの研究用プラットフォーム「ROBEAR」- 要旨 理化学研究所(理研)理研-住友理工人間共存ロボット連携センター(RSC)ロボット感覚情報研究チームの向井利春チームリーダーらの研究グループ※は、移乗介助や起立補助など、人との柔らかな接触と大きな力が必要とされる動きをロボットで同時に実現するための研究用プラットフォームとして「ROBEAR(ロベア)」を開発しました。 少子高齢化社会を迎えたわが国では、介護者不足が社会問題化しています。介護の現場ではベッドから車椅子への移乗などの重労働により、多くの介護士が腰痛に悩まされており、ロボット技術による負荷の軽減が求められています。 これまでRSCでは、人間のような腕を用いて移乗介助を行なうロボットとして「RIBA(リーバ)」、「RIBA-II」を開発してきました。今回開発したR

  • 真空より低い屈折率を実現した三次元メタマテリアルを開発 | 理化学研究所

    ポイント メタマテリアルを用いて真空の屈折率1.0より低い屈折率0.35を実現 3次元構造により光の入射軸方向に対して完全な等方性を実現 透明化技術や高速光通信、高性能レンズなどに応用できる可能性 要旨 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、真空の屈折率[1]1.0よりも低い屈折率0.35を実現した三次元メタマテリアル[2]の作製に成功しました。これは、理研田中メタマテリアル研究室の田中拓男准主任研究員と国立台湾大学の蔡定平(ツァイ・ディンピン)教授(当時台湾ITRC所長を兼務)らの国際共同研究グループによる成果です。 メタマテリアルは、光を含む電磁波に応答するマイクロ〜ナノメートルスケールの共振器アンテナ素子[3]を大量に集積化した人工物質で、共振器アンテナ素子をうまく設計することで、物質の光学特性を人工的に操作できるという特性を持っています。これまで報告されているメタマテリアルのほと

  • 高度な物体認識を担う新たな脳の構造を発見 | 理化学研究所

    ポイント 高次視覚野に大きさの異なる2つの機能構造が階層的に存在 霊長類における高度な物体認識の基盤を発見 ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の開発に寄与 要旨 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、高次視覚野[1]では、物体のさまざまな図形特徴を処理する小さな細胞の塊(コラム[2])が集まって、物体をカテゴリー別に処理する大きな領域を作っていることを発見しました。その構造の様子から「モザイク画構造」と名付けました。これは、理研脳科学総合研究センター(利根川進センター長)脳統合機能研究チームの佐藤多加之テクニカルスタッフ、谷藤学チームリーダーら、及び東京大学、南カリフォルニア大学からなる研究チームの成果です。 私たちは似た物体の違いを見分けることができます。一方で、わずかな違いに囚われず同一のカテゴリーに属すると認識することもできます。例えば、車をその形や色などの違いから特徴を

    border-dweller
    border-dweller 2013/10/29
    なるほどー 階層構造だからファジーな大カテゴリーと個別詳細なものを区別できるんだー 良い仕組みだなー / そんなのが”視覚的に認識した物体を脳の活動を読み取って推測する技術「ブレイン・マシン・インター
  • 光を当てるだけで何度でも望む場所を加工できるヒドロゲルを開発 | 理化学研究所

    光を当てるだけで何度でも望む場所を加工できるヒドロゲルを開発 -好きな時に好きな形に加工、人工臓器などへの期待- ポイント 安全で活性に優れる光触媒「酸化チタン」をナノシートにしてヒドロゲル中に固定 酸化チタンナノシートの光触媒機能を活用しヒドロゲルを高空間分解能で光加工 生体の複雑さ、ダイナミクスに大きく近づいた「水の材料」を提案 要旨 理化学研究所(理研、野依良治理事長)と物質・材料研究機構(物材機構、潮田資勝理事長)は、光(紫外光)を当てるだけで望みの場所を何度でも加工できるヒドロゲル[1]の開発に成功しました。これは、理研創発物性科学研究センター(十倉 好紀センター長)創発ソフトマター機能研究グループの相田 卓三グループディレクター(東京大学大学院工学系研究科教授兼務)と、創発生体関連ソフトマター研究チームの石田 康博チームリーダー、劉 明傑(リュウ ミンジェ)特別研究員、および物

  • 君は君、我は我なり、他人の価値観を学ぶ脳機能の解明 | 理化学研究所

    君は君、我は我なり、他人の価値観を学ぶ脳機能の解明 -人はどうして、多様な価値観を持つ他人に対応できるのか?- ポイント fMRI実験により、他人の価値観を理解する脳の仕組みを世界で初めて解明 対人関係障害疾患の解明や社会性を備えたロボットの開発などへの貢献が期待 要旨 理化学研究所脳科学総合研究センターの中原裕之チームリーダー、鈴木真介客員研究員らは、fMRI実験※1で計測された脳活動を意思決定の脳計算モデル※2で解析することで、ヒトの脳が、「他人のココロのシミュレーション※3による学習」と「他人の行動観察による学習」を統合して、他人の価値観を学ぶことを世界で初めて科学的に解明しました。 「相手の気持ちを考える」-たとえば、価値観を共有する恋人、あるいは考え方の違う職場の上司、私たちはいろいろな他人の心や行動を予測します。でも、「私たちは『他人の心』を直接は見れないのに、なぜ予測ができる

    border-dweller
    border-dweller 2012/06/21
    これは面白いな 違う価値観の人を理解するのは、行動パターンからの学習によるところが大きいのかな 自分の中にないものってどう理解しているんだろう
  • 背骨を持たない脊椎動物「ヌタウナギ」に背骨の痕跡を発見 | 理化学研究所

    ポイント 複数の異なる発生段階のヌタウナギ胚を用いて遺伝子レベルで初解析 ヌタウナギ類の背骨を作り出す発生学的仕組みは基的にヒトと同じ 背骨の進化過程に関して、動物学の教科書を覆す新しい仮説を提唱 要旨 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、「背骨を持たない脊椎動物」として動物学の教科書の中で紹介されてきたヌタウナギ類から背骨の痕跡を発見し、これまで語られてきた「背骨の進化過程」を覆す新しい仮説を導き出しました。これは理研発生・再生科学総合研究センター(竹市雅俊センター長)形態進化研究グループの倉谷滋グループディレクター、太田欽也研究員らの研究成果です。 ヌタウナギ類は、一見背骨がないように見えることから、祖先的な形態を残した脊椎動物であると考えられることが多く、一般的な脊椎動物学の教科書にもそのように記述されています。一方1900年には、米国の学者がヌタウナギ類の成体に「非常に

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