ブックマーク / note.com/ruiu (5)

  • 「悪い方が良い」原則と僕の体験談|Rui Ueyama

    ソフトウェアの世界には「悪い方が良い」原則という有名なエッセイがある。キレイにレイヤ分けされた一貫性のある良いデザインよりも、一見手抜きの悪いデザインのほうが実は良いときもあるという話だ。この逆説的なデザイン原則を僕は身をもって体験したことがある。それについてちょっと書いてみようと思う。 僕はlldというリンカの現行バージョンのオリジナル作者だ。リンカというのはコンパイラと組み合わせて使うもので、実行ファイルやDLLを作るのに使用される。lldはプロダクトとしてはかなり成功していて、標準のシステムリンカとして採用しているOSがいくつかあったり、GoogleやFacebookなど皆が知っているような大規模サイトの中で広く使われていたりする。 現在のlldは2世代目で、第1世代のlldは僕がプロジェクトに参加する前から存在していたのだけど、数年前にそれを捨てて一から書き直すということになった。

    「悪い方が良い」原則と僕の体験談|Rui Ueyama
    bouzuya
    bouzuya 2018/04/06
  • もしコンパイラを全世界で同時にうっかり削除してしまったら、元の状態に復旧できるのだろうか?|Rui Ueyama|note

    思考実験として、全世界の人が同時に、自分の持っているコンパイラやインタープリタなどの実行ファイルをうっかり全部消してしまったとしよう。そうするとそれ以降、ソースコードが残っていても、コンパイラ自身も含めてどのようなプログラムもコンパイルできなくなってしまう。この状況から人類は元のコンピュータ文明を復旧することができるのだろうか? 僕は結論としては、かなり簡単に復旧できると思う。ここではその手順についてちょっと考えてみよう。 コンパイラのバイナリファイルが全部消えてしまった後、復旧のために目指すべきマイルストーンは、おそらくCコンパイラを元に戻すことになるだろう。Cで書かれたプログラムはOSやコンパイラ自身を含めてたくさんあるので、そこを起点にすれば、たくさんのプログラムを芋づる式に復旧していけるからだ。 ほとんどのCコンパイラはCかC++で書かれている。最近のGCCやClangは巨大かつC

    もしコンパイラを全世界で同時にうっかり削除してしまったら、元の状態に復旧できるのだろうか?|Rui Ueyama|note
    bouzuya
    bouzuya 2017/12/04
    コンパイラをつくる技術は失われていないからいいとして、世の中にはそれが失われて、オーパーツ化したものもあるんだろうな。
  • 十分大きな乱数をユニークな識別子として使うのがなぜ安全なのか|Rui Ueyama

    いろいろなソフトウェアで、大きいランダムな値をユニークな値とみなすということが行われている。例えばユニークな識別子としてよく使われるUUIDはただの122ビットの乱数だ。gitもSHA-1ハッシュ値が160ビットの乱数のように扱えることを期待して、それをユニークな識別子として使っていた。実際にはランダムな2つの値が同じになる確率はゼロではないのに、なぜこれが安全なやり方だと言えるのだろうか? それについてちょっと説明してみよう。 あるシステムが、乱数で生成された識別子の衝突のなさに依存しているとして、仮に衝突が発生した場合、相当悪い結果、例えば復旧不可能な形でデータベースが壊れてしまうとしよう。これはどれくらい危険なのだろうか? 数学の問題で、学校のクラスの中で同じ誕生日の人が1組以上いる可能性は思ったより高いという話を聞いたことがあると思う。あるランダムに生成された値が衝突する確率という

    十分大きな乱数をユニークな識別子として使うのがなぜ安全なのか|Rui Ueyama
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    bouzuya 2017/11/29
    十分大きいから
  • ソフトウェアの互換性と僕らのUser-Agent文字列問題|Rui Ueyama

    いろいろな環境で動くプログラムでは互換性のためにその場しのぎのことをしないといけないことがよくあるけど、歴史が積み重なってくると、アドホックな技の上にアドホックな技が積み上がる喜劇的な状態になることがある。こういう問題は認識するのは簡単だが直すことは誰にもできない。まさに僕がそのような体験をしたのでちょっと説明したい。 僕は仕事としてオープンソースのlldというリンカを書いている。リンカというのはコンパイラが生成したバイナリファイルをつなぎ合わせて最終的な実行ファイルやDLLを作成するプログラムで、知らない人も多いと思うけど、何をコンパイルしても最後にはリンカが動いている。lldは既存プログラムより何倍も速くてビルドが早くなるというので最近は結構人気が高まっていて、FreeBSDなどのいくつかのOSが全面的にスイッチしようとしたり、あるいは大規模プロジェクトChromeや、どうもFire

    ソフトウェアの互換性と僕らのUser-Agent文字列問題|Rui Ueyama
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    bouzuya 2017/11/15
  • 絵文字がある種のUnicodeバグを世界から一掃しつつある件について|Rui Ueyama

    UnicodeのUTF-16エンコーディングではほとんどの文字(コードポイント)は2バイトで表現されるが、Unicodeに後から追加収録された文字の多くは4バイトで表現される。4バイト文字がうまく扱えないプログラムというのはわりとよくある。しかし世界中で広く使われるようになった絵文字がよりによって4バイト文字であるせいで、そのような文字が扱えない問題がよいペースで解決に向かいつつある。それについて少し説明してみようと思う。 Unicodeが80年代から90年代初頭にかけてデザインされたときの目標の一つは、Unicodeに含まれる文字数を65536個以内に収めることだった。現代の文章を実用的なレベルで表すためには、漢字などを含めてもそれだけの種類の文字があれば十分だと考えられたのだ。当然これは1文字を2バイトで表すことを念頭に置いていた。つまりコンピュータの揺籃期から当時に至るまで単純に英語

    絵文字がある種のUnicodeバグを世界から一掃しつつある件について|Rui Ueyama
    bouzuya
    bouzuya 2017/11/13
    良い
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