何のための労働なのか 利益を最大化しコストを最小化するはずの資本主義社会において、なぜなくても困らない「クソどうでもいい」仕事に賃金が支払われ続けるのだろうか。 それは、経済的に意味がなくても、政治的な機能があるにちがいなく、富の大部分を手にした1%の支配階級にとって都合がいいとグレーバーは指摘する。 人々が仕事に忙殺されていれば、暴動を起こしにくい。幸福で生産的な人々が自由時間を手にすることは、歴史が物語るように、支配階級にとって非常に危険なのだ。 そして、このような社会のシステムは決して意図的に設計されたわけでなく、一世紀に及ぶ無策によって出現したという。 グレーバーは解決策を示すことにためらいつつも、人々がどうでもいい仕事から解放される手段として、ベーシックインカムに言及している。 グレーバーは、名門ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の教授であるが、アナキスト、活動家と