オブジェクト指向を哲学として考えるようになったきっかけは、あのヨースタイン・ゴルデル著『ソフィーの世界』[1]です。本書を読まれた方は、オブジェクト指向の知識があれば、ほぼ全員「プラトンのイデア論とオブジェクト指向の考え方はとても似ている」という感想をいだかれた筈です。 筆者はかつて自身のHPにそのことを書いたところ、高校生からメールをいただいたことがあります。’90年代終わりの頃だったと思います。 「独学でオブジェクト指向言語の勉強をしています。この書籍を読んだとき自分も同じことを感じた。同じ考えの人を発見できて嬉しかったです」 この高校生より筆者の方が嬉しかった、それも独学の高校生です。 「自分の周りにこのような話をできる人はいません。イデア論とオブジェクト指向の関係のような話はソフトウェアを仕事にしている人達の間では常識なのでしょうか?」 常識なのかと問われても、残念ながら筆者の周り

