私立高校の教諭としてキャリアを積んだ、株式会社対話教育所の代表取締役・小山英樹氏。本記事では、日本教育の根幹を覆してしまったシステム「偏差値」について語ります。 【関連記事】頑張って早慶に合格しても「打ちのめされるだけ」という現実 「偏差値」が受験産業を企業の採用に変えた 1970年代、高度経済成長によって大学進学率が急上昇し、「受験戦争」「入試地獄」と呼ばれる社会現象が起こりました。これを是正するために導入されたのが、1979年に始まった共通一次試験です。 この制度は、受験生を超難問奇問から解放し地獄から救済した一方で、新たな課題を生み出しました。「偏差値」です。 偏差値によって全国の大学が分かりやすくランキング化され、東大を頂点とするヒエラルキーが出来上がりました。学部や大学の個性は度外視して「偏差値の高い大学・学部」に合格することが目的化してしまったのです。 偏差値が、中学高校の授業