困難や逆境から立ち直る「レジリエンス」が注目を浴びるようになった。その能力が個人やチームに大きな可能性をもたらす一方で、強すぎるレジリエンスは無謀な挑戦につながったり、過度の我慢を強いたりすることにつながると、筆者は警鐘を鳴らす。 『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』2019年11月号より、1週間の期間限定で全文をお届けする。 レジリエンスとは、ストレスフルな状況に適応し、つらい事態に遭遇してもへこたれない心理的回復能力のことで、昨今、仕事の世界で人気のあるパーソナリティ特性である。 それは何事もない時には休んでいるが、異変が起こると力を発揮する心の筋肉のようなものだ、とシェリル・サンドバーグとアダム・グラントは共著『オプションB』(日本経済新聞出版社)で論じている。 だとすれば、レジリエンスを身につける最善の方法は、逆境をくぐり抜けることだ。昔から、多くの哲学者が困難に耐え