朝日を地方新聞社が刷る──。 北海道十勝地方の有力紙「十勝毎日新聞」(本社・帯広市)が3月20日、北海道東部向けの朝日新聞の印刷を開始した。 「勝毎(かちまい)」の愛称で知られる同紙は1919(大正8)年創刊の夕刊紙。北海道の地域別の販売部数でブロック紙の北海道新聞が唯一地方紙を抜けないのが十勝地方である。9万部を超える部数を誇る。 同社は99年7月から道東向けの読売新聞の印刷も請け負っている。 朝日と読売は、日経とともに共同配送網や共同サイトの構築で関係を深めている。毎日や産経、そして地方紙を食って「紙」を増やそうという戦略である。 その両紙にとって「勝毎」の魅力は、全40頁、うちカラー面が24頁という地方紙では最高レベルの印刷能力にある。しかし両紙は「紙」の拡張戦略に気を取られ、「勝毎」から学ぶべき新聞経営に目がいっていない。 朝日と読売の印刷で知名度を上げた同紙の強みは、地域でメディ