とある書店でGJ部全巻(当時)が平置きされた棚に「ラノベに不要なもの、それはストーリーでした」なる手書きPOPが垂れ下がっていたのを見かけたのはもう何年も前のことで、この世にはそんなふうにまだアニメにすらなっていないガガガの売れもしない怪作のために棚の上段を使い潰す書店というものが存在する。近年では「書店員が本当に売りたかった本」なんて惹句がなにかqualifiedとconscientiousの合成語のようにして使われているけれど、いくら書店員が書物に通じているとはいえ現実問題としてかれらの大部分は時給で贖われる単純労働者であり、その無資格の書店員にキュレーターとしての資質まで期待する人間のほうがそもそも恥知らずなのであって、現実の書店員はガガガ文庫で、それもガガガ文庫のなかでも売れてないほうの作品で棚を使い潰しもすれば、そこに面白くもない手書きPOPを貼り散らして俺の心の甘皮をささくれさ
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