またもや短命政権に終わった。菅直人首相が26日正式に退陣を表明、1年単位での首相交代劇は、5回連続という不名誉な記録を更新した。政権担当能力を発揮しきれなかった菅首相の個人的な資質もあるが、衆参のねじれによる構造的な問題が背景に横たわっている。乱戦模様の民主党代表選は27日告示されるが、新体制がこの構造問題をどう克服するのか。日本政治の危機はなお続く。 ◇政策は中途半端に 1年3カ月続いた菅政権は、何よりも3月11日の東日本大震災という、地震、津波、原発事故が重なる未曽有の複合災害の対応に追われた。昨年7月の参院選敗北から始まったねじれは、最後まで政権の手足を縛り、マニフェスト後退を余儀なくされた。本来政府を支えるべき与党との一体化にもつまずき、結果的にそれが政権の寿命を縮めることになった。まさに、満身創痍(そうい)の退陣だ。 東日本大震災に対しては、対応の遅れに批判が集中した。がれき撤去